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誰もが知ってる場所の、誰も知らない世界『春日参詣記』04

日月磐

道中の川辺にある、日月磐。
月と太陽と思しきシンボルが刻まれた岩ですが、その正体は明らかにされていません。
『大和名所図会』では、氷の「ムロ」があったしるし、つまり氷室神社跡としています。
ですが、現実としてこの場所で氷をつくることは困難なのだそう。

では、何のための場所なのか。
この地は、暦を計っていた地と推測されています。
また、奈良盆地西麓の龍田大社から風を司る龍神を勧請し、祭祀を行っていたとの記録も遺されています。
季節風や星空、月の満ち欠けから暦を知り、氷をつくるなどの年中行事から一年のリズムを確かめていたのかもしれません。
(続く)

 

 

記事担当 山口隆太 京都で煎茶道に学ぶ「お煎茶メタラー」。 Metalから仏教にハマって以来、有名寺社の特別公開や、僧侶の活動に携わり続ける。 人間の存在意義が問われるこれからの時代に備えるべく、日本文化や神仏が教える心を、煎茶道などの文化遺産を活用しながら伝えている。 MAIL: yasseyaseyase@gmail.com WEB: http://yasseyaseyase.wixsite.com/kurogane

 

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