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指切りげんまん  江戸の遊郭で流行った愛の誓い

知れば恐ろしい 日本人の習慣

こんにちは。
八百万、目に見えないものまでにも「ありがとう」と思える心がとても大切ですね。
「知れば恐ろしい 日本人の習慣」(千葉公慈著)の本は、日本に古くから伝わる馴染み深い風習やタブー、季節の行事、子どもの遊びや昔話などのルーツを探り、どこか不気味に感じられる行為そのものをひとつひとつ検証しています。
だから、とっても面白いでっす。
その中から今日は「指切りげんまん」について。
お楽しみください。

ありがとうを世界中に
Arigato all over the World

 

江戸の遊郭で流行った愛の誓い

大切な約束を守るために、あなたは誓いの証しとして何を求めるでしょうか?
子供の頃、互いに小指どうしを引っかけて振りながら、こんな言葉をふたりで言わなかたですか。
---指切りげんまん嘘ついたら針千本飲まーす、指切った---
江戸時代の遊びの様子を描いた史料として知られる、万亭応賀(まんていおうが)と静斎英一(せいさいえいいち)の「幼稚遊昔雛形(おさなあそびむかしひながた)」(1844年)には、天保年間の子どもの遊びとして75種類の遊びと、そのわらべ唄を紹介しています。
わが国のわらべ唄の史料として第一級の史料的価値がある本書に、指切りげんまんが紹介されていますが、さらに時代を遡れば江戸の遊郭に由来するといわれています。
かつて遊女と客が、その愛に偽りが無く不変であることを誓う証として、実際に小指を切断して贈っていました。
おそらく、当初は限定的な流行だったと推測されますが、やがてこれが「約束を守る」という意味に変化して大衆にもひろまり、子どもらの遊びへと発展したと考えられます。

 

室町時代からもあった?

ただし、それより遡ること300年あまり、時の室町幕府が永正9年(1512)8月に定めたという、「撰銭令(えりぜにれい)」の中に、銭の規定に関する違反者については男が斬首、女は指を切断するという罰があったことが伝えられています。
すでに約束を破った者への罰として「指切り」の刑は存在していたようです。
一説には、、古い伝統を守る任侠の世界では”おとしまえ”として受け継がれているという指摘もありますが、残念ながら筆者はその根拠となる史料を見たことがありません。
しかし何らかの約束事として「指切りげんまん」をする習わしは、世界中に散見されます。
お隣の韓国では、指切りのとき、日本と同じように小指と小指を使い、その後、はんこを押すように親指どうしを合せて確かめ合います。
中国では右手の人差し指か小指を用いてからめ、「拉钩上品 一百年不許変」という言葉を口にして約束します。
筆者が勤務する大学に在学している中国からの留学生によれば「この約束は、100年間変わりません。もし破れば吊るし首!」という意味だそうです。
また、ベトナムやアメリカなどにも似たような約束の習わしがあると聞きますが、残念ながら未見です。

 

ありがとうございます

大切な契約や人生の約束事を指につけて証明するということは、それだけ指先が、人間として重要な心理的、あるいは宗教的な役割を担っていることの証左ですね。
また、指切りげんまんの「げんまん」とは「拳骨(げんこつ)一万発」のことだそうです。
いずれも約束を履行させるためのペナルティーとして、後世に語呂合わせから付加されたものですが、本来は文字どおり”命に関わる”言葉。
「指切り」の約束とは、まさに自身の生命を担保にした危険な契約だったのですね。
「日本人は何を、なぜ恐れてきたのか」「その恐怖とどうつきあってきたか」を追体験することで、われわれが忘れていた叡智を思い出すことができるのではないでしょうか。
人間と恐怖、それは切っても切れない宿命的な関係であり、そしてこの恐怖こそ、混沌とした新時代を生き残るための重要なキーワードになるかもしれませんね。
私がとっても知りたい古よりの「なぜ?」「どうして?」。
そこには人間の心のうち、自然との共生などさまざまな日本人としての思いが込められています。
だから今でも残ってきているのでしょうね。
これからも「なぜ?」「そうして?」探してみますね。

今日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
(2017.08.24再編)

「夜に口笛をふいてはいけない」なぜ?
「夜に爪を切ってはいけない」なぜ?

 

この星が笑顔あふれる毎日となりますように。
Hope there will be a smile everywhere, every day.
これからの子供たちに幸せな世の中となりますように
Wish the world will be full of happiness with children.

#ありがとうを世界中に
#ArigatoAllOverTheWorld

 

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