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「三方よし」の精神がおもてなしに通じます

 

木の芽雨

こんにちは。

先日までの長雨、早春の雨。

木々の芽が出る頃に振る恵みの雨ですね。

春の暖かい雨に促されて、木々の芽が張ることを美しく表現しています。

同じ雨を徳島県のある地方では「木の芽おこし」「木の芽もやし」とよんでいたとか。

春先の気象を表す言葉には、「木の芽風」「木の芽晴れ」なども。

「木の芽冷え」は、寒暖を繰り返す中での、この時期特有の冷え込みをいいます。

暖かくなってきて、雨が降って、木の芽も喜んでいます。

「三方よし」ですね。

今日は、「三方よし」、日本人の心についてです。

 

「三方よし」の精神がおもてなしに通じます

なぜ日本人はチップというシステムがなくても、丁寧なおもてなしができるのでしょうね。

一つには、日本人は昔から、一般庶民や子どもにも、自分だけがいい思いをするのではなく、相手を思いやり、相手の立場に立った行動を取ることをよしとする心が育まれているからだといいます。

この精神は江戸時代から伝えられてきた「三方よし」という考え方で、滋賀県の近江商人が大切にしてきた経営哲学です。

近江商人は昔から「売り手よし、買い手よし、世間よし」の精神を大切にしてきました。

 

「売り手よし、買い手よし、世間よし」

 

これは、江戸時代中期の近江商人・中村治兵衛が孫に残した書きおきにあった言葉で、「たとえ他国へ行商にいっても、自分のことよりもお客様の事を考え、行き先の人のことを大切にして商売をする」という考えです。

近江商人は近江に本店を置いて、江戸から明治にかけて日本各地で商売をおこなっていました。

彼らは信用を得るために中村治兵衛の「三方よし」の格言を大切にしました。

彼らは、自分たちだけの利益を求めるのではなく、多くの人に喜ばれる商品を提供することを心がけました。

そうして少しずつ信用を獲得していったのです。

さらに彼らは利益がたまると、その金で橋をかけたり学校を建てたりして、世間のためにもおおいに尽くしたのです。

 

「三方よし」は「おもてなし」の精神

 

「三方よし」は「商いは自分たちの利益だけでなく、買い手はもちろんのこと、世の中にとっても良いものであるべきだ」という経営哲学なのです。

この三方よしの精神が受け継がれたのが、現代の日本人の「おもてなし精神」だといわれています。

日本人はお客さまを大切にし、客を喜ばせること、満足させることに努め、そこに職業人としてのプライドと誇りを抱きます。

それが日本人の仕事に対するプロ意識に結びついています。

日本人は「匠」の技、職人の技を尊び、誇りとする民族である。それもすべて、おもてなしの精神から発しているのでしょうね。

参考:本:身につけよう!日本人のおもてなしの心 著:森谷尅久さん

 

ありがとうございます。

「三方よし」、素敵なこころですね。

私さえよければ、ではなく、みんなでって。

とっても大切にしないといけない、和の心です。

新聞やニュースを見ていると、世界中の偉い人たちが「私が」って自我の人ばかりのように見えます。

もう、そんな時代は終わりにしなければならないのに・・・。

これからは、一人一人が「みんなで」って思える本当の「おもてなし」の心を持つことが大切なのでは。

仕事はしていかないといけないですが、その仕事も「三方よし」の思いのように、自分のために仕事をするのではなく、「みんなのために」「多くの人に喜んでもらいた」って思って仕事をするとやる気がいっぱいでてきませんか。

そんな人たちがいっぱいになりますように。

 

日本の和の心はとっても素敵ですね。

今日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

 

本:「身につけよう!日本人のおもてなしの心」著:森谷尅久さん

 

 

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