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余韻を楽しむ  日本人のこころ

 

五感で感じる

こんにちは。

先日、浄住寺で現代の明かりを全て消して、和蝋燭の灯火だけで、葵大夫の舞の宴を催しました。

灯火から浮かび上がる大夫、150年前にはこのような闇の中で暮らしていたのでしょうね。

蝋燭があるのも贅沢なことだったのでしょう。

月明かりの庭からはモリアオガエルの声。

五感を研ぎ澄ますことのない現代人にとって、もしかしたら始めての体験かも。

そん中、丹生川上神社下社の皆見宮司の言葉を思い出しました。

それは「余韻」

 

 

余韻を楽しむ

古くから日本は人の付き合いやものごとの対処にも、余韻を残しそれを楽しむ習慣があります。

決して自我や自己を表に出さず祈る思いを相手に伝える。

余韻の中で互いに思う気持ちを表現とするのです。

そんな素敵な余韻を楽しめる世の中になれば人は幸せになるでしょう。

文章や言葉で言い切るのではなく、・・・・・、のような表現です。

呼吸や間を楽しみ、言葉に出さず、余韻を楽しむのが日本の文化です。

武道の静かで研ぎ澄まされた間合い、茶道の限られた茶室空間での互いを感じ合うお点前、シンメトリーではない自然美を慈しむ華道、思いの丈を短く比喩にして伝える短歌の世界など。

おもてなしも、相手に気づかれない様にするからこそ、ふと気にかかり、温かさが伝わる。

 

五感で感じたあとで、

やさしい風の様に思い出されるような演出であるから、

心解き放たれ、自然に溶け込みながら、

生きる喜びがこみあげてくる。

 

そのような感覚、感動こそが、日本の余韻の楽しみです。

 

 

ありがとうございます。

日本には多くの信仰が、なぜ存在するのか。

その答えは、日本人は生きる本質として、感謝の対象を探してきたからです。

不平不満の対象を探せば、心の荷物はどんどん重くなり生き辛く、逆に感謝の対象を探せば、心の荷物がおりて自力が上がることを悟っていたのです。

日本人は感謝して心の荷物をおろすから、時代や状況の変化に即応できる能力を備えています。

どの時代にも共通するのは、何ごとにも「感謝の心」で向き合うことですね。

 

今日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。

日本に昔のように神を敬い人を尊ぶ、神さまみたいな人が多くなってほしいですね。

 

参考
心の荷物をおろす場所 皆見元久さん著
素敵な場所「丹生(にう)川上神社下社」
悪い神さまのご利益

 

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