1. HOME
  2. 和のすてき
  3. 和の徒然
  4. 日本語は知れば知るほど奥深い。英語では直訳できない日本語17選

日本語は知れば知るほど奥深い。英語では直訳できない日本語17選

日本語は知れば知るほど奥深い。英語では直訳できない日本語17選

日本語は知れば知るほど奥深い。英語では直訳できない日本語17選

日本語には繊細な心理や美しい情景などが込められた言葉が数多くあり、その独特の感性から世界的にも難しい言語と言われます。私たちが当たり前のように使っている言葉には英語で直訳できないものが多くあります。今回はそんな奥深い日本語17選をご紹介します。

1.わびさび

日本語以外の言語で訳すことができない言葉の代表格といえば「わびさび」です。世界中探しても同じ意味を持つ言葉はないと言われています。

「わびさび」は“質素で静寂さが漂った趣のある美しさ”という意味で、日本の独特の美意識のひとつです。わびさびという感覚は抽象的なため、外国の言語で説明することが難しいのでしょう。

2.もったいない

「もったいない」という言葉には、主に3つの意味が含まれます。

1つ目は、まだ使えるものを大事にせず、次々と新しいものを買いかえる無駄な浪費に対して否定的な意味合い。2つ目は、過分によいものに対して不釣り合いであるという意味合い。3つめは、千載一遇のチャンスや、多くの人が羨むほど価値あるものや大切な人が失われてしまう時にも「もったいない」と表現することがあります。

これらの複数の意味を含む英単語は存在しないため、海外でもそのまま「mottainai」と表現されます。ちなみにケニアの環境保護活動家、ワンガリ・マータイさんは来日の際に「もったいない」という日本語に感銘を受け環境保護活運動の際に「mottainai」を標語にして活動を行いました。
このことがきっかけで、世界中に「mottainai」という言葉が知られるようになりました。

3.複数の一人称

日本語は世界的に見ても一人称が多い言語です。英語の一人称は「I」のみですが、日本では、真面目なイメージを与えたい場面であれば「私」や「僕」を使用し、友達同士のフランクな会話であれば、「俺」や「あたし」などが使用されるなど、一人称の使い分けをします。

敬語の存在もそうですが、日本ではお互いの立場の違いなどを言葉で表そうとするため、一人称が複数あるのだと考えられます。日本人の繊細さがここにも表れているのですね。

4.初心

日本では「初心忘れるべからず」と良く耳にしますが、「初心」という言葉は世界から見ると珍しい言い回しのようです。「物事を始めようと決心したときの純粋な気持ち」や「物事に慣れていない頃の気持ち」という意味を表す単語が存在することから、日本の謙虚さがうかがえます。

アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏は「初心」という言葉を「日本の素晴らしい言葉」と褒めたたえていました。

5.いただきます

日本では、料理を提供してくれた相手や食べ物に対して敬意を表すために食事前に「いただきます」という挨拶が使われます。

私たちにとっては当たり前のことですが、その意味は奥深く、英語には同じ意味をもつ言葉がありません。あえていうならば「Let’s eat! さあ食べましょう」になるのでしょうが、「いただきます」に含まれるような感謝の意味は込められていないですね。

6.ごちそうさま

手間暇をかけて料理を作ってくれた人や食べ物に感謝を込めた挨拶が「ごちそうさま」です。「いただきます」同様に、「ごちそうさま」の意味を一言で表す英語もありません。

食事の後には「I’m done.食べ終わりました」「I’m satisfied.満足です」「I’m full.満腹です」といった言い回しが使われますが、やはりこれらにも、日本人が大切にしたい感謝の意味が薄い印象がありますね。

7.おかえりなさい

日本語の「おかえりなさい」には「よくぞご無事でお帰りなさいました」という意味が込められています。日常の生活でこうした挨拶が交わす習慣は英語圏の国にはありません。

そのため英語では、長期間外出していた人に対しての声かけとして「Welcome home.おかえりなさい」 という言葉がありますが、普段の生活で、出先から帰宅した家族に対して「おかえりなさい」の意味を伝える言葉はないようです。

8.お疲れさま

日本の社会人にとって、なくてはならない便利な言葉が、この「お疲れ様」はないでしょうか。お疲れ様の一言には、相手の労をねぎらう、努めを果たした成果をたたえる意味があります。また、職場での気軽な挨拶としても頻繁に使われていますね。

9.よろしくお願いします

仕事からプライベートまで様々なシチュエーションで使える万能な日本語のひとつです。日本に滞在する外国人が英語に訳せないと口を揃えていいます。相手を思いやる気持ちが込められた日本語らしい言葉ですね。

10.切ない

「切ない」には、ただ悲しい、寂しいという感情だけでなく、胸がぐっと締め付けられる何とも言えない特別な感情が込められています。英語でその複雑な心境を表現するには、単語を組み合わせたり、ジャスチャーを加えたりしながら表現する必要があります。

11.渋い

渋いとは、味覚の一種で、えぐ味のある苦さのことを指します。また、日本では華やかでなく落ち着いた趣を褒める意味で「渋い」と表現します。この渋さというのは、前述した日本人の「わびさび」の美意識に通じるものがあります。こうした抽象的な表現は、なかなか英語では訳しにくいものです。

12.もどかしい

意味としては「思い通りに進まずソワソワする」という日本語です。英和辞書を引くと、「irritatingイライラする」や 「be impatient我慢できない」といったニュアンスの言葉で表現していますが、「もどかしい」を直訳する英単語はないようです。

13.森林浴

森林浴とは草木が生い茂る公園や森林の中をウォーキングしながらすがすがしい空気にひたることです。日本発祥の健康法として知られていますが、英語で訳しにくいこともありそのまま「Shinrin-yoku」という言葉が浸透しています。

14.生きがい

生きがいとは「生きる意味」「生きていくためのはりあいや喜び」という意味です。英語でも生きがいの意味を表す言い回しやフレーズはいくつか存在します。しかし、生きがいを端的に表すものはありません。

わたしたち日本人が何気なく使っているこの言葉の意味は実はとても曖昧であり、日本独特の感性から生まれた言葉といえます。

15.懐かしい

「懐かしい」には、過去を懐かしんで「あの頃を思い出すなあ」「あの頃はよかったな」「物さみしいな」「恋しいな」「今となってはいい思い出」といった多くの感情が含まれており、それぞれの状況を「懐かしい」の一言で表現できるとても奥の深い言葉なのです。

英語では「nostalgic」や「sentimental」などで訳されることがありますが、すべての状況にマッチするものではありません。結果的に「懐かしい」のニュアンスを表現するためには、それぞれの感情にあったフレーズを使って表現することになります。

16.仕方ない

「手段や方法がない」「どうにもこうにもならない」「やむをえない」場合に使える便利な言葉がこの「仕方ない」です。諦めモードの時に言う言葉ですね。

あらゆる場面で使えますが、こちらも英語では一言で置き換えられません。英語ではシチュエーションによって表現を変える必要があります。

17.木漏れ日

森林などの木々の間から太陽の日差しが漏れる光景のことを指します。日本には、こうした自然の情景が浮かぶ美しい言葉が多くあり、世界各国からも称賛されています。四季の美しさに恵まれた日本ならではの言葉ですよね。

まとめ

いかがでしたか。日本語にはニュアンスが曖昧なものが多いように感じましたね。その寛容な表現こそが、日本人らしさなのかもしれません。曖昧なものの伝え方の背景には、相手を思いやる心や尊敬の気持ちが込められており、結果として人間関係を円滑にしてくれるのでしょう。英語と比較したことで、日本語の奥深さが実感できたのではないでしょうか。

 

今海外でブームになっている盆栽「BONSAI」、盆栽生活を始めるためには? 

日本に愛される抹茶、その歴史について

関連記事

最近の記事

アーカイブ