二條さま 古事記のお話しの2 第四話の1
ウマシアシカビヒコジノカミ 後半(第19回)2023年9月16日(土)長徳寺
こんにちは。
先回は、『ウマシアシカビヒコジノカミ』という神様のお話をしました。
今日、久しぶりにいらっしゃった方、また初めての方もいらっしゃいますので、この古事記の話の馴れ初めといいますか、どうしてここで古事記の話をしているのか、またどんな古事記の話をしているのかという事を少し説明させて下さい。
まず、ここで古事記の話をするのですが、古事記の本文の話は一切しません。
本も沢山出ていますから読めますし、それはご自分で読んで頂くという事でね。
古事記の中に出てくる様々な神様。
全部で1200ぐらいあると思うんですけど、その様々な神様がどういった神様なのかという事を皆さんにお話して、また、私どもの家で伝わっている古事記のお話から読み進めていきます。
古事記というのは、今から70年ぐらい前まではちゃんとした日本の歴史書として学校で習ったものなんですね。
確かに口頭無形な話です。
読むだけでは口頭無形な話だけれども、日本人というのは、そういった口頭無形な中に歴史や文化、生活を織り込んでいくというやり方をして来ましたので、読み方を間違えなければ、そこには歴史が刻まれていたりします。
だから、完全な口頭無形ではないのです。
ヒエラルキーというと非常に問題があるかもしれないけれど、例えば、天皇様は天皇様の古事記の読み方がある。
近衞様は近衞様の家の古事記の読み方がある。
私の家にも私の家なりの古事記の読み方があって、その家に伝わっている読み方をする事によって、古事記がどんどん深く読めるようになっている。
通り一辺倒な古事記の読み方ではなく、もうちょっと古事記を進めてみましょう、というのが、ここでの古事記の在りようという事なんですね。
ありがとうを世界中に
Arigato all over the World
『アメノミナカヌシ』は、お水
これで、3クール目です。
一番最初は歴史的な古事記。
その次の2クール目は、人心、人の心と古事記がどういう風に繋がっているかという事。
今回の3クール目は、古事記とお祀りです。
今回のクールを聞いて頂き、自分の家で神棚を持ってお祀りする事が出来るように、までいってみようということになっています。
もちろん、古事記の神様も含めてなのですが、正しくは「神観念」という風な言い方を私はしているんですけれども、これは西洋の神観念とは少し違うのですが、哲学的なアプローチから具体的な祭祀というものも少し勉強していきましょうという事で3クール目に入っています。
一番最初の『アメノミナカヌシ』は、お水だよと言いました。
そして、お祀りの中ではどういう扱いになっているかというと、祭事の中で一番重要な道具の中に「水玉」という道具があり、それを捧げる事によって『アメノミナカヌシ』という神様をお祀りする事が出来るように。
その次は、『タカムスヒ』『カミムスヒ』という神様がるよ、それはお塩だよというお話をしました。
どこのお祭りに行っても、お水もお塩も、両方ともお祭りには欠かせません。
例えばですが、皆さんも、もしかしたらお家に神棚があるとするならば、そこにはお水とお塩をあげていらっしゃる方もいらっしゃると思います。
(写真:神宮HPの御塩焼固より)
『タカムスヒ』『カミムスヒ』は、お塩
これは脱線なんですけれど、お塩の話をもう少し突っ込んで話すと、お塩は単体では物を払えないという事を覚えておいて欲しいんです。
「お塩を撒いて清める」という風に、お葬式に行くと、「清め塩」というのが付いてきて、それで払うという作業をしていますよね。
もしくは、悪いものを寄せない、という様な考えをお持ちかもしれないけれど、それは間違いなんですよ。
「塩湯(えんとう)」といって、塩のお湯はお払いに使えるのです。
何故かというと、塩のお湯を撒くと、草が枯れるのです。
要は、雑草が枯れるという事だから、それが綺麗になったという扱いにはなります。
塩を撒いただけでは枯れませんから。
むしろ、塩を撒くというのは、人を寄せる事になるのです。
色んなものを寄せる事になるよという事。
玄関先に盛り塩をしている人がいますよね。
あれは、お清めにはならないですからね。
玄関先にお塩を置くというのは、人に来て欲しいと言っている事ですから、色んなものに来て欲しい人が塩を盛るのです。
元々は、中国の商家や女郎屋さん達が玄関に塩を置いたのです。
そうすると、牛が舐めに来るのです。
偉い人が乗っている牛車の牛が、その塩を舐めに来るのです。
従って、偉い人が来てしまうわけです。
牛が、塩を舐めきるまで動かないので、牛車から降りてそこで遊ぶしかないのです。
という事で、玄関に盛り塩をするようになったのです。
ですから、悪いものを避ける為に置いていのではなく、むしろ、悪くても何でも人を寄せる為に、商売繁盛の器具として塩を置いてあったのです。
いつの頃からか、何故か三角形に固めてお皿の上に置いておいて、両側に置いたらお清めになる、みたいになっていますが、お清めになりませんからね。
ですから、清めなくて結構です。
ただ、先程から申し上げているように、人心というものがあります。
人心というのは、人の心です。
伊勢にある「宮忠」という神具屋さんがあるのですが、多分、そこが始めたんですね。
三角盛り塩とい型まで売っているんです。
塩を入れて押さえてポンと出すと三角形になる。
伊勢で神具屋さんが三角盛り塩をやったから、みんなが「これでお払い出来る」と。
宮忠は、「お払い町」という場所にあるんですよ。
ですから、「お払いされるみたい」という人心が動いた。
従って、今は塩でも払えちゃうのです。
絶対払えないですけどね。
私から言わせると絶対払えないけど、払えちゃうという気持ちの人が多かったら、払えちゃうのですよ。
人心なのです。
バルブとして、みんながお塩で払えるというバルブが開いたら、もう止められない。
それで払えるようになるのです。
見た側が、「あ、お払いしてる。」と思うから。
「あ、玄関先で悪いものを入れないようにしてるね。」とみんな思うじゃないですか。
私は決して思わないけれど、大抵の人は思っているから、「だからあそこの家は清らかだよ。」と思っちゃうという気持ちが、お払いになる。
結果的に、それが神様になっていく。
これが人心。
本当なら払えるはずがないのに、払えちゃうところまで上がってくというのが人心なのです。
そういう事を先回のクールでは話しました。
お塩を得て家族ができました
『タカムスヒ』『カミムスヒ』というのはお塩だよと。
このお塩というのは、とても大切だよと。
何故お塩が出来たのかと言ったら、これはお皿なんですね。
最初は、お皿にお水をお祭りしていた。
お水をお祭りしていたら、蒸発したんですよ。
そこに多分お塩が残ったのです。
それで、それを舐めてみた。
舐めてみたら、よく動けるようになったんですよ。
よく動けるというのは、お塩を戴かないと、朦朧としますし、体ってだんだんと固くなっていくんですよね。
だけど、お塩を舐めたら急に動けるようになった。
頭も動くようになった。
そして、ふりかけたら料理が美味しくなったんですよ。
多分、採集をしていた頃に、お魚だとか、お肉だとかに塩をかけて食べてみたら美味しかったんでしょうね。
こういう経験則のもとに、塩は大切なものになっていきます。
もちろん、生物という考え方でも、塩は不可欠なんですが、我々が経験則で神を得ていったように、塩を得ていった。
そうする事によって、一つ集団が出来たという事なんです。
『アメノミナカヌシ』『タカムスヒ』『カミムスヒ』という神様を得る事によって、非常に小さい集団が出来たと思って下さい。
これ、家族なんです。
お父さんがいて子供達がいる、もしくは親がいて子供達がいる、もしくは一人お母さんがいて下に夫婦が出来た。
非常に小さな単位の家族が出来た。
こういう事なんです。
『ウマシアシカビヒコジノカミ』
これをもっと大きく考えましょうか。
『アメノミナカヌシ』がお水で、そして、ここでずっとお話しているのは、黄色人種。
最初は単体で動いていたのが、ある時、家族だけで動くようになっていく。
家族が増えると、まかないきれませんから出て行って貰う。
もしくは、お年寄りは死んで貰う。
もしくは、食べてしまうのですよ。
これは前も言いましたけど、食べた証拠も残っている。
人間は人間を食べなかったかといえば、食べたのです。
歳をとって働かなかったら、自ら食べて貰った方が早いという風に。
非常に痛ましいとか、おぞましい話かもしれないけれど、むくろになったら動かなくなったという考えだから、皆さんが考えている程、痛ましい話ではないし、お腹が空いているから食べちゃったというよりは、食べるのが普通だったのだと思います。
でもある時、どこからともなく、みんなを肥え太らせられる栄養が入って来たんです。
これが、『アメノミナカヌシ』『タカムスヒ』『カミムスヒ』の後に出て来た『ウマシアシカビヒコジノカミ』という神様だよ、という事をこの間までお話しました。
そして、この『ウマシアシカビヒコジノカミ』というのは、どこから来たかというのを今回は話そうと思います。
本題はこの続きをどうぞ。
この星が笑顔あふれる毎日となりますように。
Hope there will be a smile everywhere, every day.
これからの子供たちに幸せな世の中となりますように
Wish the world will be full of happiness with children.
#ありがとうを世界中に
#ArigatoAllOverTheWorld