漆器ができるまで
漆器ができるまで
こんにちは。
うるしの器ができあがるまで、どれほどの工程があるかご存知ですか。
まずは、「生地調整」です。
木をろくろにかけて器のかたちにしたものに傷が入ってしまったところや補強したい部分などに、木屎(こくそ)と呼ばれるパテのようなものを埋めます。
そして、表面がなめらかになるように砥石で研ぎます。
次に、「木地固め」と言い、砥石で砥いでつるつるになった器にうるしを塗ります。
つまり、下地塗りです。
ありがとうを世界中に
Arigato all over the World
麻布と和紙
次に、「布着せ」。
うるしの器の強度を高めるために、麻布をかけてその上からうるしを塗ります。
実は、うるしの器の良いものには必ず麻布がかかっているのです。
安いうるしの器には和紙がかかっています。
だから軽く手でたたくとすぐわかります。
おおむね、和紙を使っているものは木の音がしますが麻布がかかっているものは木の音がしません。
そして、「地つけ」と呼ばれる本格的な下地塗りに入ります。
「切粉地つけ」と言いまして生のうるしを塗ります。
これは最低でも三回、多いと八回ほど、何度も塗ります。
その後、「錆つけ」と呼ばれる錆うるしを塗る作業を行います。
ここまでが「下地づけ」と呼ばれる器の木地を丈夫にする作業です。
(写真:Discoverjapanさんより)
見えない部分が大切
これだけでも相当に根気のいる作業です。
工程を合理化する現代の経済学からは、こうした文化的な労働成果は理解できないところでありそれだけに慎重です。
上からうるしを塗ってしまえばまったく見えなくなる部分に非常に大きな労力と神経を使っています。
しかし、よくできた文化には共通したところですが、この見えない部分の作業や工夫が大切でうるしの器が長持ちするかどうか、使いやすいかどうか、というのはこの下地づけにかかっているといっても過言ではないのです。
その後に、本格的に塗りの作業に入ります。
まずは「下塗り」で、うるしを薄く塗ります。
その後、静岡炭といううるし専用につくられている炭で表面がなめらかになるように研ぎます。
すると、徐々につやが出てきます。
そして、ようやく「中塗り」です。
ここで使ううるしは、最後の表面に使われるうるしと同じ色のものを使います。
その後、もう一度、静岡炭で表面がなめらかになるように研ぎます。
最後に「上塗り」です。
ここでようやく最高品質のうるしを使います。
そして乾燥させてできあがりです。
ありがとうございます
こうしたプロセスを経て、うるしの器というものはつくられていきます。
とにかく、想像以上の手間暇がかかっています。
けれど、こうしてできあがったものは本当に見ても美しく手に触れても気持ちがよく、さまざまな料理を入れても温かく美味しくいただけ、しかも日常、手のくらしの使用にも耐えて長持ちするのです。
物のよさは見えない所にどれだけ手間暇をかけているか。
現代でなくなってしまった、価値ですね。
今日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
見えないところでの努力が大切なんですね。
この星が笑顔あふれる毎日となりますように。
Hope there will be a smile everywhere, every day.
これからの子供たちに幸せな世の中となりますように
Wish the world will be full of happiness with children.
#ありがとうを世界中に
#ArigatoAllOverTheWorld