「ち」という言葉には意味深さがあります
中西進さんのひらがなのお話
こんにちは。
今日は「ち ちち」、「ち」という字についてです。
「ち」ということばには、体のほかの名称とは異なる意味深さがあります。
それでは私の大好きな中西進さんから「ち」のお話しを。
でもその前に中西進さんといえば「令和」の元号を考えた人と言われていますよね。
その時のお話しを少しだけ。
下記のお話しは「健康長寿ネット」に掲載されていたものです。
「元号である「令和」は国書『万葉集』を初めて典拠としていることから、政府の非公開の専門委員で唯一の『万葉集』研究者である中西さんが考案者と目された。
しかし、元号が特定の個人と関連づけられることは好ましくないという政府の方針もあり、当時、中西さんはマスコミの質問にはこう答えている。
「元号は中西進という世俗の人間が決めるようなものではなく、天の声で決まるもの」
一方、「『令和』の考案者は私と同じ名前なんですね」と昨年出版された著書『卒寿の自画像―わが人生の賛歌』(東京書籍)で語っている。
そこで中西さんに「令和」の意味を尋ねると、「令(うるわ)しく平和に」、下から読めば「和令(やまとうるわ)し」という意味とスラスラと説明してくれた。」
今年は令和4年。
あっという間に令和も4年が経ちました。
「令(うるわ)しく平和に」のような世界にはまだまだですね。
地球上では争いがたえません。
そしてコロナ!
1日も早く「令(うるわ)しく平和に」の世界となりますことを祈っています。
ありがとうを世界中に
Arigato all over the World
「ち」は霊格
私たちの体の中には、血が流れています。
血がなければ生きていられません。
ですから、「ち」ということばには、体のほかの名称とは異なる意味深さがあります。
そもそも「ち」とは、不思議な、そして力あるものを指すことばでした。
ほかのことばに置き換えるうならば、霊格といったような存在です。
たとえば雷のことを「いかづち(いかずち)」といいますが、これは「いか(巌)」+「づ(の)」+「ち(霊格)」です。
それから大蛇のことを「おろち」といいます。
この「ち」も、蛇に宿る不思議な力を意味します。
そして、私たちの身近にある「ち」が父です。
恐ろしく力のある存在、それが「ちち」でした。
また、生けるものの体内をかけめぐる血は、不思議な力の最たるものでした。
この「ち」に、「からだ」の「から」、つまり「そのもの」という意味を持つ「から」を結合させたことばが「ちから(力)」です。
血は、まさしく生きるパワーであり、そこから古代人はパワーそのものを「ちから」とよびました。
じつに自然科学的で、論理的な認識ではありませんか。
先ほど「いかづち」の「ち」について触れましたが、「古事記」に、火の神様カグツチを斬り殺したら、剣の先から血が飛び散って、雷になったという話があります。
「かぐつち」は、輝かしい霊格を意味します。
やはり雷は血そのもので、夜空を走る稲光は、天にほとばしる血なのでしょう。
(写真:荒井良作品)
「ち」が二つ並ぶと「ちち」
それから乳も「ち」といいました。
「ち」が二つ並ぶと「ちち」となります。
母乳はまさしく生命を育てるもの。
これに血と同じことばが与えられたことに、感動を覚えます。
「たらちねの母」といいます。
「たらちねの」は母の修飾語ですが、「たら」というのは「充足をしている」という意味。
満ち足りたものが「たる(足る)」です。
さらに「ね」は、不動なるもの、動くべからざるもの。
木の根も山の嶺も「ね」です。
ですから、充足したお乳をもっている不動なるもの、それが「たらちね」。
母というのは、まわりが何といおうとでーんとしていないとだめなんですね。
「ち」という一音のことばで、血も父も、力も乳も理解できます。
日本語というのは、すごいことばだと、私は思うのです。
(文:日本語の不思議・中西進)
ありがとうございます
最初にも書きましたが、私の大好きな中西進さん。
中西進さんが産経新聞に語った令和のお話しです。
わが国最古の歌集「万葉集」が典拠となった新元号「令和」。
国書を典拠とする元号は初めて。
また「令」の文字が元号に使われるのも初めてで、その本義は「形が整っていてうるわしい」という意味だそうです。
中西さんは、その「うるわしき和の精神」を世界に広めていくことが次代の日本人の務めだとおっしゃってます。
「令和」の言葉が採られたのは、万葉集に収められていた「梅花の歌三十二首」の序文から。
大宰府の長官を務めていた大伴家持が自宅の梅園に友人を招いて歌会を開いた時の周囲の自然の美をめでた文章です。
中西さんはおっしゃいます
「新春の好(よ)き月に、空気は美しく風はやわらいでいる。梅は白く咲き、蘭が香る。明け方の峰に雲が行き来し、松は雲の薄絹をまとって蓋(きぬがさ)をさしかけたようだ」。なんともうるわしい風景ではありませんか。
と。そして
「万葉集の中に息づく平和への祈りを実現するのが、「令和」の時代の役割だと思います。」
とも。そして
「元号は、みんなが「こういう時代にしようよ」という目標なんですよ。心のよりどころといってもいい。元号は制度と思われるかもしれませんが、むしろ人々の生き方を示す文化、志というべきものです。そういう文化を残す国が世界にひとつくらいあってもいいでしょう。」
と。
学ぶことがたくさん。
今日もすてきな事がたくさん、ありがとうございました。
中西進さん、これからも学ばしてくださいネ。
この星が笑顔あふれる毎日となりますように。
Hope there will be a smile everywhere, every day.
これからの子供たちに幸せな世の中となりますように
Wish the world will be full of happiness with children.
#ありがとうを世界中に
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