誰もが知ってる場所の、誰も知らない世界
『春日参詣記』01
こんにちは。
興福寺南円堂には変化観音の一種である、不空羂索観音菩薩が安置されています。
”南”は、北円堂に対することば。
”円”は、実際は八角のお堂ですが、円形を目指したことを表しているそうです。
ちなみに、北隣には「一言観音」が祀られています。
もちろん通称で、お姿は11の顔を持つこれまた変化観音の一種、十一面観音菩薩です。
不空羂索観音菩薩も、11の顔を持っています。
この意味するところは…?
それはまた、別のお話。
実はこの南円堂、明治の廃仏毀釈で失われかけた、かつての神仏習合の在り方を伝えています。
写真では燈籠の陰に隠れていますが、神社や鳥居で見かける注連縄がかけられています。
これがどういうことかと言いますと、ヒントは南円堂の向きにあります。
不空羂索観音菩薩は東を向いており、その視線の先には、春日大社が位置しています。
つまり、観音さんと同じように立つと、自ずと春日大社と春日山を拝す立ち方になるのです。
今回は、この南円堂をスタートに、春日大社のさらに東奥、興福寺別院まで参詣します。
(続く)
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