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叔父の教え 「進化と順応」

 

叔父の本、「神道<いのち>を伝える」より。

 

約三十八億年前に地球上に生物が誕生し、進化した生物だけが生き残っておりますが、進化しなかった多くの生物は現在、地球上におりません。

どういう生物が進化できなかったかと言うと、その時代で最も大きく、最も強い生物たちであり、それらは現在一匹も地球上に存在しません。

なぜかと言うと、体が大きく強いと、どんな生物にも勝つことができる。

自分の思う通りにエサをとることができる。

そうなると、一件非常に強くて生き残るようにみな考えますが、こうなった生物は、環境の変化に順応するということができなくなってしまうのです。

自分の力でなんでもできると思った生物は、そのために今は全部滅亡して、現在は地球上におりません。

こうしたことは今、人間が行っていることとまったく同じで、人間は自分の力で生き、そして自然でも何でも自分の力で変えられると思っています。

しかしこれは非常に危険な考え方で、こうした考えで進んでいくと、いずれ人類は滅亡すると思います。

多くの人々は、大きくかつ強いことはいいことだと思っています。

国でも、大きな国が地球を支配し、また世界のいろいろな企業でも、大資本で大きな企業が生き残ると考えておりますが、私はその逆で、本当は小さくても順応力が強い企業や国だけが生き残ると思っています。

その点、日本の国は小さく、また日本人の体格も以前は小さかったために二万年の昔から気候の変化に順応して今まで続いてきたのですが、戦後は食料が豊富で、若者の体格が大きくなり、しかも経済大国をいわれる力を持ちはじめると、人々は日本の国が進化し発展したと考えますが、私は逆で、日本の国あるいは日本人は順応する力が弱くなり、退化しているのではないかと思っています。

では本当の進化・発展とはいったいどういうことなのかと言うと、いつもお話ししていますが、まず祖先の伝統を受け継ぎ、それを子孫に伝えていくという、いのちを伝えるということを行うということはもちろんです。

それに加えて、順応するということが大きな力なんですね。

自然の環境の変化に順応する。

順応できなかった生物はみんな滅亡してしまうのです。

 

 

順応できなかった生物はみんな滅亡してしまう・・・

 

大腸菌に善玉菌と悪玉菌があることはご存知ですよね。

この悪玉菌が大腸で悪さをするから身体に悪いと大腸を整える必要性を雑誌やテレビで紹介してます。

確かにそうなのかもしれませんが、何万年もの昔、今の善玉菌たちも生きるために人間の身体にはじめて入ってきた時は悪玉菌だったそうです。

もちろん人間の本能として悪玉菌を殺すために身体の細胞たちが闘います。

この悪玉菌たち、人間を殺してしまおうと大腸に居座ったわけではありません。

自分たちの子孫を残すために最適な場所を選んで住み着いたのです。

結果としてこの時の悪玉菌と呼ばれる菌たちも、住まわしてくれている人間にもっともっと役に立つようにと善玉菌になって行ったそうです。

そう進化して順応したのです。

そして共生。

 

菌という最小の生き物でさえ、生きるための不文律を守って進めるのです。

人間は?

寂しいですね。

菌以下?

いえいえ、これから改めて一人一人が生きることの意味を理解して、日々暮らしていけばきっと未来に向かって、子どもたちのために素敵な毎日を送ることができると思います。

今、大切なことは、そう思える人が増えていくことだと思います。

大切な明日のために。

 

ありがとうございます。

 

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