けん玉の魅力~昔ながらのおもちゃ~
日本国内のけん玉の競技人口は約300万人と言われています。ここ数年は、既成概念にとらわれないスタイリッシュなけん玉のスタイルが海外でも人気となり、国外の競技者も100万人を超えているそうです。そんな、けん玉の魅力に迫ってみたいと思います。
けん玉の技
けん玉の魅力の一つは、その技の多さにあると言えます。3万種類以上あると言われているけん玉の技は、習得していく面白さに加え、新しい技を生み出していくことも出来る奥の深さがあります。けん玉の構造は、けん・糸・玉と大変単純ですが、それゆえに常に新しい技が生まれていると言っても過言ではないのです。恐らく、一生かけても知りつくせない魅力がそこにあるのだと思います。
3万種類の技を全て習得するのは果てしないことですが、技の会得に対する意欲を高めてくれるのが、日本けん玉協会が行う級位・段位の認定試験です。級位は10級から始まり1級まで、段位は初段から始まり10段まであります。検定試験を受ける際は、日本けん玉協会が認定する競技用けん玉を使用しなければなりません。
けん玉は、おもちゃ売り場を始め民芸品店などでも入手できますが、競技用のけん玉は全てにおいてバランスよく作られているため、技の難易度が上がるほど扱いやすさを実感できるようです。協会認定のけん玉には、日本けん玉協会のマークが付いているので購入の際はマークを目印にするといいと思います。
10級の認定試験は「大皿」という技を行います。「大皿」がけん玉の技の基本の「き」となります。まず、けんグリップと呼ばれる持ち方でけんを持ちます。そして、玉を乗せるお皿のうち大きい方のお皿=大皿に、つり下げた玉をまっすぐ引き上げて乗せるという技です。けん玉遊びと聞いて、まず思い浮かべる動きかもしれません。これが数多ある技のベースになっていきます。
けん玉のプロ
けん玉に魅了された人は、けん玉のプロとして活躍しています。彼らはプロけん玉師と呼ばれていますが、そのパイオニア的存在なのが伊藤佑介氏です。国内外でショーやワークショップ、講演を行い、けん玉の魅力を世界に伝えているそうです。彼は、10度もけん玉全日本大会で優勝しており、けん玉競技でギネス記録を打ち立てるほどの腕前です。
けん玉パフォーマーとして有名なコンビといえば、ず〜まだんけ(ZOOMADANKE)です。メディアへの露出も多く、音楽とけん玉を融合させた新しいパフォーマンスは圧巻です。
けん玉ワールドカップ
さらに、けん玉はワールドカップまで開かれているのです。2014年に第一回大会が広島県廿日市市で開催されて以降、年々参加者は増え続け、2017年の大会では5万3000人の来場者数となり、けん玉界の一大ビッグイベントになっています。この様子は、大会当日ネットで生配信されており、世間での関心の高さが伺えます。けん玉ワールドカップは、ただ単純に記録や技を競いあうのではなく、けん玉のプロによるパフォーマンスを取り入れ、音楽の野外フェスのような躍動感を感じられる内容になっています。
出場資格は中学生以上ならだれでも参加できるとあり、敷居が低く、気軽に参加できるのも人気の秘密かもしれません。大会の決勝終了後には、「とめけん」という技の同時成功人数のギネス世界記録(568名)に挑戦したそうです。残念ながら、新記録達成とはならなかったようですが、参加者と来場者にとって思い出深いイベントになったことは間違いありません。
このように日本のみならず、国境を越えてワールドワイドに愛されているけん玉、今後も新しい展開を見せていくに違いありません。奥深いけん玉の世界に、あなたもぜひ足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。