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日本三古湯をご存知ですか?温泉の歴史に触れてみましょう。

日本三古湯をご存知ですか?温泉の歴史に触れてみましょう。

日本三古湯をご存知ですか?温泉の歴史に触れてみましょう。

日本には多くの温泉が存在します。環境省自然環境局によると平成28年3月末時点で日本には温泉地(温泉がある宿)が3084か所存在しているようです。今回は、その中でも最も古く歴史がある「日本三古湯」についてお話をします。

日本三古湯について

日本三古湯と言っても、実は説は二つあります。一つは「日本書紀」や「風土記」の記述に基づく愛媛県の「道後温泉」、兵庫県の「有馬温泉」、和歌山県の「白浜温泉」の三つで、一般的に三古湯が紹介される場合、この三古湯を指します。もう一つの説は『延喜式神名帳』に基づくもので、こちらでは愛媛県の「道後温泉」、兵庫県の「有馬温泉」、福島県の「いわき湯本温泉」の三つが挙げられます。いずれも長い歴史があり今でも人気の温泉ですので、一つずつチェックしてきましょう。

道後温泉

愛媛県の道後温泉は、夏目漱石の小説「坊ちゃん」の中で登場することでも有名な温泉ですね。「万葉集」や「日本書紀」に登場し、その歴史は三千年を誇ると言われています。かつて来湯したと言い伝えがあるのは、聖徳太子、天智天皇、天武天皇などの皇族の方から夏目漱石、正岡子規、高浜虚子などの文人まで、歴史上に名を連ねる多くの方々に愛されてきました。まさに日本が誇る由緒正しい温泉と言えるでしょう。また最近では、スタジオジブリの大ヒット映画「千と千尋の神隠し」の舞台のイメージとしても使用され、歴史を残した情緒を感じるたたずまいは、現代でも人気が高く、多くの観光客が訪れます。

有馬温泉

有馬温泉と言えば、赤褐色の「金泉」が有名ですね。塩分濃度が高い泉質で、その塩分は肌に薄い皮膜を作り、体を芯から温める役割をします。さらに殺菌力も高く、皮膚疾患に効果があるようです。
有馬温泉は「日本書紀」の記述によると、舒明天皇や孝徳天皇の行幸をきっかけで一躍有名になったようです。つまり、飛鳥時代にはすでに存在していた事が裏付けられます。その後、衰退していく有馬温泉を救ったとされる有馬の三恩人が時代ごとに現れます。奈良時代に温泉寺を建立した「開創の行基」、鎌倉時代に十二宿坊を建てた「興の仁西」、安土桃山時代に戦乱や災害で衰退した有馬温泉の改修をし、湯山御殿を建設した「再建の秀吉」です。江戸時代以降は、温泉の効能が評判を呼び、多くの人が湯治に訪れたといいます。その繁栄が今でも続いています。

白浜温泉

白浜温泉は湯崎半島の海岸沿いに湧き出る7つの温泉「湯崎」、「大浦」、「古賀浦」、「綱不知」、「白浜」、「東白浜」、「新白浜」からなる温泉郷のことで「南紀白浜温泉」とも呼ばれます。1300年以上前から存在し、「牟婁の温湯」「紀の温湯」の名で万葉集や日本書紀にも記述が残っています。斉明天皇、天智天皇、文武天皇をはじめ多くの宮人の方々が温泉を楽しんだようです。また、白浜温泉には「忘帰洞」という名の洞窟風呂があるのですが、その由来は、大正時代に紀州徳川家15代当主の徳川頼倫が訪れた際、「帰るのを忘れるほど」と称したため、と言われています。お肌や体にいい成分を多く含んだ泉質の良さは、現在も多くの温泉ファンのハートを掴んで離しません。

いわき湯本温泉

いわき湯本温泉の開湯は奈良時代と言われています。平安時代の「延喜式神名帳」に記載があることから、日本三古湯と称されています。江戸時代には、浜街道で唯一の温泉街ということで大変栄えたようです。
いわき湯本温泉の特徴は、世界屈指の湧出量で、なんと毎分約5.5tも湧出しています。泉質は珍しい硫黄泉で数々の効能を併せ持っており、高血圧に良いと言われる「心臓の湯」、保温効果が高いと言われる「熱の湯」、デトックス効果があると言われる「美人の湯」などが有名です。

最後に

長い歴史の中で多くの人の心身を癒し、そして愛されてきた温泉。そうした歴史に思いをはせて訪ねてみると、また新たな楽しみ方ができるのではないでしょうか。温泉が恋しい季節です。日本にある数々の由緒ある温泉を、この機会にぜひ堪能してみてくださいね。

 

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