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「デザインの歴史的背景」成願義夫さんのお話し

デザインの歴史的背景

例、『花札が晴れ着の図柄に使われなかった理由』

江戸、明治、大正、昭和(戦前)という長い時代の中で、『花札』をデザインモチーフとして用いた晴れ着を、私は見たことがありません。
一方、同じ遊具カードの一種である『百人一首かるた』は、文学文様として、帯や着物の柄に好んで用いられてきました。

『花札』を、晴れ着や祝い着のデザインモチーフに使わなかったのには理由があります。
(一部の人が趣味の着物や羽裏に染めさせたなどを除いて) 花札は、今でこそ花鳥風月を表した和柄の遊具カードだと認識する人が増えましたが、そもそも『花札』は江戸時代以降、主に博打場(バクチ場)で用いられ、裏社会の資金調達の道具だったという血なまぐさい歴史があります。
本来、晴れ着の図柄は、幸福と繁栄や無病息災を願う図柄、つまり吉祥文様が基本です。
それ以外に文学文様として、古典文学や和歌などから題材をとった文様も人気がありました。
これとても、知的、高貴、優雅などのイメージが、図柄として表現できたからこそです。

では、花札はどうかというと、それらの対極にあるものなのです。
花札に限らず、最近そのようなタブーを冒して、デザインされている振袖を時々見ますが、
成人式の『遊女コスプレ』同様にこれも無知故なのでしょう。
見ているこちらが恥ずかしくなります。

なんでも「かわいい!!」で許されるのは消費者だけです。
商品やサービスを提供する側の無知は大罪だと知って頂きたいです。

(成願義夫さん Facebook  2016/10/2 投稿記事)

 


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