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「元号の力」 新たな元号が生まれる今年、231もの元号が続いた日本

 

 

己亥(つちのとい) 改元の年

明けましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。
本年も宜しくお願いいたします。

お正月は寝正月?
初詣はもう行かれましたか。

年末、いや、年明け早々テレビの報道で「安倍首相が新元号を4月1日に発表」とありました。
5月1日より新天皇が即位されます。
新しい元号はいつ発表?5月1日なの?と、いつだろうと思っていたら新年早々の発表。

慶應4年(1868)に明治元年に改元したときから一世一元と決められました。
一世一元とは、天皇が即位されてから崩御されるまで一つの元号だけということです。
それ以前は決まりがなく、大地震や大火、飢饉、疫病など災い事が派生すると「災異の改元」といって、幸いを断ち切り、新たな時代を生きていこうという意味で時の権力者やぎ為政者が改元をしてきました。

昭和天皇が崩御されたとき小渕長官(当時)が「新元号は「平成」」と発表されたことを思い出しますね。
元号とはもともと何なのでしょうか。
産経新聞が「元号の風景」と題して、「改元を控え、古来から続くわが国の元号に縁(えにし)の深い郷(さと)や史跡を歩き、国の来し方行く末に想いを巡らせます。」と素敵な記事があったので、ここから元号を学んでいきたいと思います。

 

日のもとを絶えず染める炎(かぎろひ)

「阿騎野(あきの)」の小盆地は、奈良・吉野からきつい峠を超えたところにあった。
ひろびろとした田地のなかの小山は「かぎろひの丘」(宇陀市)と呼ばれる。
持統天皇6(692)の年の晩秋、まだ10歳の軽皇子(かるのみこ)(後の文武天皇)が薬猟(くすりかり)の訪れて宿営したさい、随行の柿本人麻呂が、
「東の野にかぎろひの立つ見えてかへりみすれば月かたぶきぬ」
と詠んだことにちなんでいる。

「炎」と書く「かぎろひ」は夜明けに、東の山から昇る太陽の曙光(しょこう)とされる。
いま、東方を遠望すれば、ひときわ高い高見山が薄青く浮かんでいた。
あの山の稜線が燃えるように染まったのであろう。

「大化」(645年制定)いらい、元号の使用はたびたび途絶した。
だが文武の代に制定された「大宝(たいほう)」(701年)から「平成」にいたるまで絶えることなく続いた。
中国や朝鮮、ベトナムなど元号を定めた国はいくつかあったが、現在は日本だけだ。

その「日本」という国号も、文武の代に定められた。
「日のもと」という意味の、たいらかな国号は幼い文武が人麻呂とともに眼底に焼きついた「かぎろひ」から生まれた、と想像したい。
(文:産経新聞 平成31年1月1日「元号の風景」客員論説委員 福嶋敏雄

 


(絵:月岡芳年「大日本名将鑑 神武天皇」 明治時代初期の版画)

ありがとうございます。

平成という元号を決めるとき、「修分(しゅうぶん)」と「正化(せいか)」という候補もあったそうです。
しかし「平成」がわかりやすく親しみやすいということと、明治(M)、大正(T)、昭和(S)のとイニシャルが重ならないようにということもあったそうです。

では、最も短い元号は?
それは鎌倉時代、四條天皇の「暦仁」が2ヶ月と14日、たった2ヶ月です。
その次が奈良時代、聖武天皇の「天平感宝」(4文字があるのですね)が3ヶ月と15日。
これらは非常に特殊な事例ですが、1年から3年で改めることはたくさんありました。
それでは、長い元号は?
明治、昭和、平成はとても長いですが、それ以外で20年以上続くことはとても珍しいことだそうです。
室町時代「応永」が33年、平安時代の「延暦」、南北朝時代の「正平」、戦国時代の「天文」が23年と続きます。

日本の元号は645年の「大化」からといわれています。
今から1374年前のこと。
それから125代の天皇の間に231の元号がありました
天皇一代で2つ近くの元号があったことになります。
(元号の前の次代は干支を使っていたとか)

「なぜ?元号はあり続け、そして変わっていったのでしょうね?」
現在、世界中で元号を用いているのは日本だけ。
他の国々は西暦で1年を「2019年」と数字で数が増していくだけで呼んできました。
でも、日本は元号を用いてきました。
それは文字の力、言霊の力を信じている日本人だからこそ元号を続けてきたのでしょう。
時の天皇は即位をしたとき、災害が起こったり続いたとき、この日本が(世界をまだ知らない時代)もっともっと素晴らしい時代になりますようにと願って元号を決めてきたと思います。

元号にはそういった天皇の熱い熱い思いがこもって続いてきたのだと思います。

 

今日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
4月1日に新たな元号が発表されます、どのような元号になるかはわかりませんが、その元号のもとこの世が笑顔あふれる素晴らしい毎日となりますように、願います。
願うだけではだめですね、私も精進してまいります。

最後にもう一つ。
新元号が中国の言葉からではなく、今の世に本当に必要とされる言葉が見つかることを願います。

弥栄

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