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「善財童子」ご存知ですか

栂尾山高山寺の善財童子

こんにちは。
今日は善財童子のお話し。
栂野の高山寺(世界遺産)に行ってきました。
石水院廂(ひさし)の間の落板敷の中央に善財童子がいらっしゃいました。
皆さんは善財童子のことをご存知ですか。
まだまだお子ちゃまでいらっしゃいますが、その後に仏教の修行を積まれて悟りを開かれた方です。
とっても可愛いですね!

ありがとうを世界中に
Arigato all over the World

 

善財童子

善財童子のお話は、『華厳経』というお経の中に出てきます。
華厳経は仏さまの命の中に生かされている私たちのことを四季折々の花にたとえ、名のある花だろうが名のない花であっても花の一つ一つが違う個性のままに命を輝かせて生きる世界(浄土)があることを教えています。
その世界を求めて生きるの人が善財童子なのです。
善財童子は、最初に文殊菩薩に出遇って教えを聞きかれます。
自分を知らされ「今、君は教えを求める心を起こしている。君がどう生きていくべきなのかを先生(善知識)をたずねてお聞きなさい」と教えられます。
そして文殊菩薩をはじめとして、53人の先生をたずねます。
善財童子がたずねた53人の先生は、僧侶だけでなく、船頭、商人、王妃、王者、芸人、自然を象徴した神々などあり、それぞれ違う個性の中から、それぞれの教えを善財童子に語られます。
それは、ともだち、恋愛、社会、戦争などの青少年が悩み考える問題を、人生の様々な場面の出遇いを通して考えることによって、生まれた意義と生きる喜びを探していくことを表しています。
最後に普賢菩薩のところで悟りを開いたと言われます。
(参考:しんらん交流会など

 


(阿部文珠院 国宝 海渡文殊像)

 

合唱する善財童子

善財童子、合掌されてて愛らしいですね。
安倍文殊院では、隣に立つ仏陀波利(ぶっだはり)というお坊さんと一緒に、獅子に乗る文殊菩薩(もんじゅぼさつ)の両脇にひかえています。
さらに、その奥で獅子の手綱を引く優填王(うでんのう)という異国の王さま、そして頭巾をかぶる最勝老人(さいしょうろうじん)の5人セットで、海をわたる「渡海文殊(とかいもんじゅ)」と呼ばれて信仰を集めています。

歩きながら文殊菩薩たちをふりかえる姿が印象的な善財童子。
ひとり先頭に立ち、一団を先導しているようにみえますね。
どうして善財童子が文殊たちの先頭をいくのでしょうか。
そもそも善財童子は、文殊菩薩の導きで識者を訪ねてまわり智恵を得る童子です。
そのなぞを解くヒントは、文殊菩薩の乗る獅子とその手綱をとる異国人の王さまにありました。
もともと、飛鳥時代に日本へ伝わった仮面劇の伎楽(ぎがく)や、行道(ぎょうどう)という仏教のパレードでは、獣の王者である獅子と、鼻が高い異国人の治道(ちどう)、そして師子児(ししこ)と呼ばれる子どもが、最初に登場して道を清めたといいます。
善財童子は師子児と同じように文殊菩薩と一緒になってからも、魔よけとして先導する役割を期待されたのでしょう。
汚れを知らない無垢な子ども、だからこその大役といえるのかも知れません。
(参考:東京国立博物館

 


(高山寺の善財童子)

ありがとうございます

4月に阿部文珠院で、そして今日は高山寺でも善財童子とお会いできました。
うれしいことです。
高山寺は明恵上人によって開かれたお寺です。
明恵上人は善財童子を敬愛し、住房には善財五十五善知識の絵を掛け善財童子の木像を置いたといわれます。
また、あの有名な東海道五十三次の宿場は善財童子が導かれた五十三人の知者の数にもとづくとも言われています。

善財童子、今日もありがとうございました。
私も53の知者とお会いして多くのことを学んでいきたいです。

 

この星が笑顔あふれる毎日となりますように。
Hope there will be a smile everywhere, every day.
これからの子供たちに幸せな世の中となりますように
Wish the world will be full of happiness with children.

#ありがとうを世界中に
#ArigatoAllOverTheWorld

 

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