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今日から6月 「水無月」

 

今日から6月 「水無月」

こんにちは。

梅雨の季節がやってきました。

どんよりした空を見ているとついつい気分が滅入ってしまいがちですが、道ばたの紫陽花がまるで水彩画のようにあめににじんで輝いている姿を眺めていると、雨もいいものだなあと思えてきます。

花の多くは蜜で虫を誘って花粉を運んでもらい受粉しますが、紫陽花には蜜がなく、花の色の美しさだけで虫を誘うのだとか。

なるほど、虫だけではなく、私たちが思わず足をとめて紫陽花に見入ってしまうのもうなずけますね。

6月には祝日はありませんが、行事は盛りだくさん。

おいしい食べ物もいっぱいです。

雨につられて憂鬱になっているヒマなんてないですよ~。

梅雨の季節を楽しみましょうね。

 

梅雨なのに、どうして水の無い月?

 

雨がたくさん降る時季なのに”水の無い月”って変なの?

「水無月の”無”は”の”にあたる連体助詞ですので、「水無月」は”水の月”ということになります。

田植えが済み、田に水を張る必要があることから”水の月”「水無月」と呼ばれるようになったそうです。

 

 

写真は熊本の弊立神社の末社の東水神宮です。

龍は水の神様。

大災害にならないように、でも恵みの雨をお願いします。

 

 

氷の朔日

 

6月1日は「氷の朔日」と呼ばれ、氷や氷餅などを神さまにお供えして、その後、食べるという風習があります。

その昔、宮中では6月1日に、これからくる暑さに負けないようにと氷室(ひむろ)に保存した氷を食べる「氷室の節会(せちえ)」という行事があり、これが由来であるといわれています。

氷室とは冬にできた天然の氷を夏まで保管しておく貯蔵庫のこと。

冷蔵庫なんてない時代、氷はとっても貴重なものだったのです。

現代ではあまり耳にする機会のない風習ですが、夏を元気に乗りきれるよう願いを込めて、この日に冷たいものを食べるのもいいですね。

 

清少納言の「枕草子」に、こんな一節

 

「あてなるもの。(中略)削り氷にあまづら入れて、新しき金まりに入れたる。水晶の数珠。藤の花。梅の花に雪が降りかかりたる。」

簡単に訳すと、「上品なもの。削った氷に甘葛(あまづら)の蜜を入れて、新しい金属のお椀に入れたもの。水晶の数珠。藤の花。梅の花に雪がふりかかっているよう。」

平安時代からかき氷があったとはビックリ!

とはいえ、身分が高い貴族にしか許されない贅沢だったようです。

かき氷を水晶や花に例えるとは、さすが清少納言。

クーラーも冷蔵庫もない時代だからこそ、夏の氷は雅で心ときめくものだったに違いありません。

 


(絵:上村松園 清少納言)

 

ありがとうございます

水無月の美味しいもの、梅にいんげん、新しょうがもいいですね。

梅は、2月ごろに美しい花を咲かせた梅の実が熟してくるのが6月。

完熟前の梅は渋くて食べられませんが梅酒にするのがいいです。

豆が未熟ないんげんをさやごと食べる「さやいんげん」、成熟させた豆を乾燥させて食べる「いんげん豆」がありあます。

江戸時代初期に明の僧「隠元(いんげん)」和尚が日本に初めていんげんを持ち込んだとされ、この名がつきました。

初夏に早掘りした根しょうがを「新しょうが」と呼びます。

繊維がやわらかく、みずみずしい。

辛味も少なく、茎のつけ根が華やかな紅色です。

 

今日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

いつの時期にもおいしいものがいっぱい、だから八百万の神に感謝をするのですね。

やっぱり日本は素敵な国です。

(参考本:「大切にしたい、にっぽんの暮らし。」 著:さとう ひろみさん)

(初版:2015.06.01 再編集)

 

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