大切にしたい にほんのたしなみ 広田千悦子著

「たしなみ」という言葉には、いくつもの意味があります。
一つは、「普段の心がけのこと」。
たとえば、女性のたしなみなどと使います。
あるいは、「慎み深くすること」。
または何かについての「心得」。
そして、お酒をたしなむ、お茶をたしなむなど、「好み」や「趣味」について言う場合もあります。
この本で紹介しているのは、食・衣・住・心と四つの場にまつわる「たしなみ」ですが、この言葉に含まれるさまざまな要素がまじり合う内容になりました。
知っておくと便利だったり、何気ない日々がもっと楽しくなる、普段の暮らしに息づく工夫や知恵。
これらを見つめなおしていると、自然と浮かび上がってくることがあります。
それは、この国の習慣や決まりごとの中に見え隠れする、懐の大きさ、視点の広さ、思いやりです。
ちょっとした行いの繰り返し、心の使い方が、もしかしたら、大切なものを育んでいるのかもしれないという予感。
併せて楽しんでいただけたらと思います。
(文:本文中の「はじめに」より)
たしなみ(嗜み)、辞書でひくと
1.好み。特に、芸事などに関する心得
2.慎み。「―がない」。ふだんの心がけ。
みなさまのたしなみはいかがですか。
素敵な日本人でいたいので、この本で学んでください。