薬師如来の役割・由来・見られる寺院
釈迦如来は
こんにちは。
釈迦如来が修行に入るきっかけとなった「生老病死」は、命を授かった人間には避けられないものです。
しかし、生老病死の中でも「病」に対しては、唯一「治癒」という救いがあると言えます。
そんな病や痛みへの恐れに手を差し伸べるのが、薬師如来です。
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薬師如来の由来・役割
薬師如来の正式名は薬師瑠璃光如来です。
これは、薬師如来が東方浄瑠璃世界の教主とされていることからきています。
遥か東のかなたに、瑠璃の宝石のように青く澄み切った美しい仏様の国があり、そこで薬師如来は教えを説いていると言われています。
瑠璃は金や銀とともに七宝の一つとされていますので、東方浄瑠璃世界は大変に美しい場所であると言えます。
薬師如来も阿弥陀如来と同じように実在したわけではなく、想像上の架空の人物です。
日本に仏教が伝わった時、薬師如来の考え方も同時に入ってきています。
しかし、どのようにして始まったのかについては詳しく分かっていません。
インドの壁画の影響を受けた法隆寺金色堂壁画に薬師如来が登場していることから、その起源がインドにあるとする専門家が多いです。
薬師如来は悟りを開く前、菩薩の時代に「十二の大願」という目標のような誓いを立てます。
その中に、生まれつきの病気・身体的苦痛を癒やすこと(諸根具足)、困窮や苦悩を除き払えるよう援けること(除病安楽)という誓いがありました。
これらの大願を成就させたのちに如来となったため、「大医王」や「医王善逝(いおうぜんぜい)」とも呼ばれています。
薬師如来はあらゆる病気や苦痛を解き放つ、まさに医者だったのです。
薬師如来が日本に伝わったとき、日本は薬師如来の助けを欲していました。
疫病が流行り、天災にみまわれ、人々の生活は荒んでいたのです。
そんな時、時の天皇が薬師如来を本尊とするお寺を建てられました。
当時の人々は天皇であっても庶民であっても、みな薬師如来に祈りました。
病気は祈祷以外に治療するすべがなかったこともありますが、薬師如来がまさに救世主となったのです。
薬師如来の御神徳・ご利益
阿弥陀如来は死後に極楽浄土へと導いてくれる後世利益の仏様ですが、薬師如来は現世利益を実現する仏様です。
つまりは、「今苦しいことから救ってくださる」ということです。
病気平癒だけでなく、安産や延命、衣食住を満たしてくれるといったご利益があります。
薬師如来は、この世に生きている限り悩まされる様々な苦しみから救ってくださると言われています。
先にも申し上げた通り、薬師如来が伝来した時代は、現在のような医学はもちろんありません。
今であれば治る病気でも不治の病であることが多く、薬師如来に祈ることでそのご利益を受けようとしたのです。
薬師如来の像容
薬師如来も、他の如来同様に如来に共通する特徴をもっています。
くるくると巻かれた螺髪や、眉間の間の右巻きの毛である白毫などです。
他の如来と見分けるポイントとして、薬師如来だけの大きな特徴が2つあります。
それが「薬壺(やっこ)」と「七仏薬師」です。
「薬壺」は、薬師如来が左手の中に持っている小さな壺のことをいいます。
医王というだけあって、この壺の中には痛みや苦しみ、障害を取り除いてくれる薬が入っていると伝えられています。
ただし実際のところ、本当に何かが入っているというわけではなく中身は空っぽだと言われています。
もっと言えば、薬師如来とは別で壺を作って手に乗せたという訳ではなく、仏像の手と一体となって作られているため、「壺」という入れ物かと言うと、本当は少し違うのです。
釈迦如来や阿弥陀如来は手に何も持たず印を結んでいるだけでしたので、この薬壺を持っていれば薬師如来であることが分かります。
ただし、平安時代以前の薬師如来は薬壺を持っていないことが多いので、この類ではありません。
次に、「七仏薬師」です。
これは、薬師如来が衆生を救うために姿を変えて現れるという7つの姿を言います。
薬師如来の光背に、姿を変えた6体または7体の小さな化身仏が見られることがあります。
七仏薬師は、7か所のお寺にある薬師如来を言う時にも使いますが、そのお寺についてはこの後ご紹介します。
薬師如来が見られる有名寺院
薬師如来が見られる有名寺院と言えば、先ほど申し上げた七仏薬師です。
七仏薬師は、京都周辺の観慶寺・護国寺・法雲寺・延暦(えんりゃく)寺・珍重寺・平等寺・広隆寺の7か所に祭られている薬師如来です。
京都の醍醐寺の薬師三尊像は、豊臣秀吉の命によって、あるお寺より移されたと言われています。
中央の薬師如来坐像は像高が約1.3メートル、両脇の菩薩も1.4メートルを越えます。
気品と荘厳さが伝わる佇まいです。
また、薬師如来と聞けば「薬師寺」や「新薬師寺」を思い浮かべる方も多いかと思います。
お寺の名前そのものに「薬師」と入っている通り、薬師如来をご本尊としています。
どちらも奈良県にあるお寺ですが、薬師寺は天武天皇が皇后の病気平癒のために創建したもの(本薬師寺が、遷都のために移転したもの)です。
一方、新薬師寺は747年に聖武天皇の病気平癒を祈り、皇后によって建てられました。
薬師寺の本尊である薬師三尊像は国宝です。
薬師如来の台座にギリシャ、ペルシャ、インド、中国の文様が刻んであります。
新薬師寺の薬師如来は、その周りを十二神将と呼ばれる天部に属する神々が360度取り囲むように安置されていることで有名です。
現在の薬師如来は再建したものですが、当初の完成は607年と言われていて薬壺を持っていません。
ありがとう
今も昔も、人の一生の内で病気にかからないということはありません。
大なり小なり、なにかしらの不調が出てきます。薬師如来が長きに渡り人々から信仰されているのは、誰にでも起こりうる現世の苦しみを救ってくださるからです。
薬師如来の教えが、病気が治る喜びや平穏な日々への感謝を思い出させてくれるでしょう。
この星が笑顔あふれる毎日となりますように。
Hope there will be a smile everywhere, every day.
これからの子供たちに幸せな世の中となりますように
Wish the world will be full of happiness with children.
#ありがとうを世界中に
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