「生命の伝承」 子孫は先祖の得分に感謝の祈りを捧げる

(絵:歌川芳虎:安芸宮島弁財天)
神々が創りたもうた世界が人間界
おおよそ人の世は、生命の伝承が有って存続しているのである。
人は連綿と受け継がれた生命伝承によって今を生きていることを感 謝する、その実践行為こそが御供養に他ならない。
我が身の存在ルーツを考える時、 災害や戦争において失われた多数の生命の中で現存生命を持てる人 々は祖先の長きにわたる生命存続における努力に敬意を表するべき である。
この世の苦労は世の常で、自己の魂の強化活性に寄与するべく、 神々が創りたもうた世界が人間界である。
人の間と書き、 他者との交わりの中で学び会うのがこの世界の特徴である。
気づく事の大事は悟りの為の第一歩である。
先祖の存在無くして我が身の存在もあり得ない、ましてや悩みも、 はたまた思考自体も、あり得ないのである。
神仏先祖が子孫を残そうとする自然行為はより高度な世界構築の大 切な鍵であり進化進歩の発露である。
その願いこそが現在の人間社会の存続を在らしめて止まないのであ る。
祈りは未来を創る具現的力であり現実を創る種子
私達は受け継がれた祖先の意思を大切に思い、 祈りを捧げる行為こそが未来を創る原動力であることを知らねばな らない。
祈りは未来を創る具現的力であり現実を創る種子である。
大いなる存続と希望を発展させるためにも連なりの浄化儀礼である 供養を営む事を進めるものである。
人は親から子へつなぐ心こそが繁栄と発展を産みだすのだから、 先祖の霊威と子孫の存続を繋ぐ事は物理的にも重要な現実である。
彼岸やお盆は、先祖からの請求月で有り、 連なりの薄い者には必ず事故や病、 争いなどの現象によって知らせがあるものである。
心して考えられたい。
『人事は先祖の営みから来る』今もその癖は代わりなし。
先祖は子孫の繁栄を願い、 子孫は先祖の得分に感謝報恩の祈りを具体的に捧げる。
それが古来から受け継がれる日本の生活伝承であるところの御供養 である。
盆と御彼岸は自主存在の証の報恩としてその基を正すべく確りと御 供養を奉りましょう。
