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今日は体育の日 昔から健康のこと考えていたの?


(絵:「房事養生鑑」歌川国貞 人の構造図を描いたもの。体内を遊郭にたとえています)

 

いつの時代でも健康でありたいと願ってました

こんにちは。

今日は体育の日。
1964年の東京オリンピックの開会日であった10月10日を記念して1966年に国民の祝日に制定されました。
2000年に10月の第2月曜日に変更されます。
私は10月10日が体育の日のままであってほしかったな。

さて、昔の人たちは体育、体を育むことだから健康のことでしょうか、健康についてどれほど考えていたのでしょうか。
現代はテレビをつければ必ず一日に一つといっていいぐらいの健康情報番組があります。
ある意味幸せな時代ですね。

さて、昔はどうだったのでしょうか。

 

養生訓と喫茶養生訓

江戸時代、貝原益軒はさまざまな医書や養生書の知識と自身の経験をもとに「養生訓」を書きました。
健康に生きるための心得を広めました。
益軒はそこで「内慾」と「外邪」を遠ざけるよう語っています。
「内慾」とは「飲食」「好色」「睡(ねぶり)」「言語をほしいままにする」「七情(喜怒憂思悲恐驚)」です。
こうした欲を抑えるという発想は、『養生訓』に限らず多くの養生書の中で見受けられます。
気を減らさず、体中にめぐらせることを念頭に、養生のあり方を説いています。
現代語訳には健康の文字が度々出てくるのですが、原著全8巻のなかに、健康という言葉は一度も出てこないのだそうです。
もともと「養生訓」は、病気を遠ざけるための実践法を益軒の83歳までの体験を基に書かれた本です。
もしも、当時、健康が一般になじみのある言葉であったならば、当然益軒が使っていても不思議ではないはずです。
江戸時代には、「丈夫」や「健やか」などはありましたが、健康という言葉は使われていなかったのです。

鎌倉時代には、禅僧栄西が鎌倉下向の際、将軍源実朝に献上したといわれる「喫茶養生訓」があります。
喫茶の効能や製法を述べた書です。
茶は仏教とともに中国から伝来しましたが、平安時代には上流貴族や僧侶の間で薬の一種と考えられ、長寿の妙薬とされていました。
栄西は「喫茶養生訓」で喫茶による諸病の治療法を述べ、健康管理の必要を主張しました。
「朝茶はその日の難逃れ」 といわれ、朝、お茶を飲むと、その日は一日中災いが身に降りかからないという諺もあります。

明治時代になると、西洋の先進的な知識が広まり、衛生、栄養、運動など、様々な観点から健康の維持、増進を目的とする書物が多数出版され現代にいたりました。

 


(絵:「飲食養生鑑」歌川国貞 臓器を人気歌舞伎役者にたとえ、役割を紹介しています)

もうひとつの健康に大切な食事について

現在、健康志向の高まりとともに「和食 日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録され日本食は健康的なイメージで世界的なブームとなりました。

わたちの食生活は日本の伝統的食生活である「ごはん」を中心として、他に大豆・野菜・魚などを、醤油・味噌・出汁などにより調理、味つけされたおかずを組み合わせる食事が典型的でした。
戦後、畜産物や油脂類などの需要が増え、栄養バランスのとれた「健康的で豊かな日本型食生活」といわれる食生活が出来ました。
経済的に豊かになり、新たな日本型食生活が一般的になってきましたが、その結果、近年では過剰摂取や栄養バランスの偏りなどにより、肥満や生活習慣病が問題になってきています。
そこで改めて、伝統的な日本型の食事が栄養バランスもとれていると見直されています。

ありがとうございます。

体操という言葉は、寛文年間に羅馬尼藩に妖童白拍子と呼ばれた「駒子稚」という若い女性が将軍家綱に召し出され座興を披露したところ、三家老が揃って「至極」を出したと言われ、これが体操の起源と考えられています。
健康という言葉は緒方洪庵が使ったのが最初でしょうか。

健康ブームといわれて久しい昨今、ちまたにはさまざまな健康法があふれています。
健康でありたいという願いは、いつの時代でも切実なものであったと思います。
現代、人々は持てる知識と知恵をくししてさまざまな健康法を作ってきました。

昔は医学の発達は現在に比べると格段にレベルは低かったはずです。
現在は自分の体に足りないものは薬やサプリメントで補えます。
むかしの人たちはそれらがない分きっと普段の生活のリズムを大切にして生きてきたのだと思います。
医学が進歩し、生活が豊かになることは本当に良いことだと思います。
しかしそれに頼りすぎる現代人の生活は決していいものとは思えないです。
今もなおレベルを上げようとする現代の健康と、丈夫な体のレベルをさらに追求していく昔の健康。
この2つをうまく使いあたりまえのように世の中にひろげていければいいですね。

今日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
本当の健康とは「心・身」ともに健康で健康と言います。心の健康も大切にしていかないといけないですね。

 

参考
わたしたちの健康法
「健康」という言葉の起源は新しいのです

 

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