ときめき☆歌舞伎 第80回
「香りと歌舞伎 その二 」
私事で恐縮ですが、3月31日に
阪急うめださんでの催事 #playkimono に参加してきました。
なぜか「香りの講師」として!
今回の #playkimono のテーマは、「傾く(かぶく)!」
せっかくなので、「歌舞伎ネタ」も少し入れてお話してきました。
ありがとうを世界中に
Arigato all over the World
◆最初で最後の似非講師
師や兄姉弟子を押しのけて、講師をしてしまうという
恐ろしいことをしてしまったのですが、
「破門」にもならず、全面バックアップ体制!
感謝とプレッシャー(汗)
お話は、日本の香りの歴史から。
奈良時代に仏教道具として日本に入ってきて、
平安時代は貴族の自分の香り(練香のブレンド)として、使われました。
武士の時代になってステータス(香木の収集)へ移り変わりました。
香木の香りを楽しむ聞香(組香)が始まったのも、武士の時代です。
聞香で使用する香木の沈香(じんこう)について。
どういう過程(年月をかけて)で香木になっていくのか、
どこの国で取れるのか、
香りの聞きかた、表現のしかたなど。
香炉に香木を乗せる仕上げのお点前は、間近で見ていただきました。
お香の会でも、こんなに間近で見ることはできません。
しかも手順を説明しながらなんて、絶対ないです。
そして、香木の香りを実際に聞いていただきました。
香木は、2種類。
香木の香りを初めて聞く方も多かったので
2つの香りの違いを聞き分けるのは、難しかったようです。
そうなんです。。。
現代の香りって、アピールしてくるものが多いですよね。
芳香剤、シャンプー、洗剤などなど。
香木は、こちらから香りを探しにいくようなイメージでしょうか?
集中して嗅覚を使うことって、普段の生活ではあまりないですよね。
それが、聞香のおもしろいところでもあるのですが
似非講師では、力不足。
伝えきれませんでした…。
◆彼方此方に源氏香図☆
#playkimono は、着物のイベントです。
阪急さんからは、「着物をからめた話を何かしてください」
と、お題をいただいていました。
では、「源氏香図のお話は、いかがでしょう?」
香道では組香というゲームを行います。
その種類400以上と言われています。
その中でとっても人気があるのが「源氏香」。
5回、香りを聞いて
何番目と何番目が同じ香りかを当てるゲームです。
たった5回ですが、
回答は52種類にもなるのです。
回答には、「源氏香図」というものを使います。
5本の縦線とそれを結ぶ横線。
図には、それぞれ源氏物語の巻名が付けられています。
上の図は、花散里。
縦線と横線をつかったシンプルな図が、江戸時代から人気が高く
香道の世界を飛び出して、いろいろなものに使われるようになりました。
着物、建物、お菓子などなど。
わたしは、源氏香図の着物を持っていないので
葉室さんと姉弟子に源氏香図の着物を着てもらって、
みなさんに見てもらいました!
写真がなくてすみません…
源氏香図は、歌舞伎の衣装にも使われているんです!
ご紹介したのは、「積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)」の
「関守関兵衛実は大伴黒主」。
緑色に白抜きの源氏香図柄の衣装。
現在の舞台写真と江戸時代の役者絵をご覧いただきました。
現在の衣装は、演じる役者さんによって
源氏香図の種類が異なようで
写真の源氏香図は「松風」。
「須磨」を使われるお家もあります。
次回、「積恋雪関扉」を見る機会があれば、ぜひチェックしてみてください☆
「積恋雪関扉」は1784年に初演されました。
登場人物は、関守関兵衛実は大伴黒主のほかに
小野小町と良岑宗貞(遍昭)。
六歌仙の3人です!
平安時代前期の歌人です。
源氏物語ができるさらに前の時代の物語に
なぜ関兵衛が源氏香図の衣装を着ているのかは???
御存知の方がいらしたら、教えてください!!!
これで、似非講師の任務終了。
このような機会をいただき、ありがとうございました。
参加くださった方、協力いただいた方、応援してくださった方
みなさまに感謝です☆
平成31年4月 安積美香