1. HOME
  2. 和のすてき
  3. 和のお話し
  4. 「釜の六音」聞いたことありますか?

「釜の六音」聞いたことありますか?

「釜の六音」聞いたことありますか?

こんにちは。

先日のお茶のお稽古で、「釜の六音」ということを教わりました。
釜の水が煮えてくるにしたがって音が変わってくるそうです。
お茶を入れるのに最適な温度の音は「松風(しょうふう)」。
どんな音がしてるのでしょうね。
とっても興味があり、調べてると下記の文面がありましたので、みなさまにも!

ありがとうを世界中に
Arigato all over the Worl

 

釜の六音

釜の煮えがつく音。
なにげなしに言いますが、この「煮えがつく」なんていうのも、普通では耳慣れない表現かもしれません。
鉄の釜が煮えるにつれて鳴る音、茶室でしか聞かれない音です。
昔なら多分、長火鉢に置かれた鉄瓶がチンチンと沸く、とか囲炉裏にかけた鍋が音を立てて煮えている、といったような光景も日常茶飯事だったでしょうけれど・・・・・・。
ピーピーケトルや、沸くと歌いだすポットとはちょっと違いますね。

 

茶室の朝

炭を置き、水を張った釜をかけ、火が熾り、やがて湯が沸きだします。
この湯の沸く経過を段階的に捉えたのが、「釜の六音」です。
構造的には、釜底内部に漆で貼り付けられた数個の鉄片、鳴鉄(なりがね)によって、音の高低が決まったりします。
魚眼(ぎょがん)、蚯音(きゅういん)、岸波(がんぱ)、遠浪(えんろう)、松風(まつかぜ)、無音(むおん)。(流派によって呼び方は違うみたいです)
または魚眼、蟹眼、雀舌、小濤、大濤、無声。

一、魚眼、魚の目玉のごとく小さい泡が連続して興るさま。
二、蚯音、みみずの鳴く声とのこと。そんな声、聞いたことありますか!?「銅鐺(てつなべ)、火を得て蚯蚓叫(きゅういんさけぶ)」という漢詩があるそうです。作者は蘇東坡の弟、蘇轍。キュ~ッ、という声かな、と想像しますが・・・・・・。いかがなものでしょう。
三、岸波、岸に寄せる波の音かと思います。
四、遠浪、遠い波の音。

 

五、松風

佳境です。
お茶を差し上げる亭主と、招かれた客とが相応して釜の煮える音に耳を澄ます瞬間。
浜辺の松林を吹き抜ける潮風の音にたとえられた、この釜の鳴り音が無言の茶室に響くのを聞きながら、おごそかに一碗の茶が練られます。
この場面に限っていうなら、炉よりも風炉のほうがドラマ性があるかもしれません。
風炉の濃茶は練り始める前に、たぎった釜に水を注しその煮えをいなすという所作があります。
柄杓の水一勺でよどみなく続いていた松風の音がふいに途切れる刹那。
裂帛の気合、と呼びたいその一瞬の間ののち、ふたたびよみがえった松風の音とともに茶筅の振られる音。
固唾をのむ客の前に、練りあがった茶が差し出されます。
時間と空間を一点にひきしぼって集約させる、
この場面は茶席における最高のパフォーマンスの瞬間なのでは、とかねがね思っております。

・・・・・・炉の濃茶で最初に釜に水を注すのは、お茶を客に供し服加減を確かめ、さらにお茶銘等々を尋ねる会話がかわされたのちのことで、おなじく松風の音が途切れるにしても、そこにはある種のゆとりがあるように思います。
茶席に響く音が変わることで、空気もゆったりとするような・・・・・・

松風の音の切れ間は、暑い夏の茶室には削がれるような緊張感を寒い冬の茶室には包み込むような包容力を、それぞれ感じさせるような効果をねらって演出されたものであるのかもしれません。

 

 

六、無音

最後の無音。
これ、学生の頃ふたとおりの説があると習いました。
ひとつは、温度が上がり松風の音が極まると釜はゥワーンというような変化のない鳴り音になり、それがあたかも無音であるかのような錯覚を起こす。
つまり単調になるということでしょうか。
もうひとつは、火の落ちていくにつれ釜も鳴りを静め茶室に沈黙が訪れていくことからそう名づけられた。

大老、井伊直弼は、茶人井伊宗観としても知られていますが、その著書「茶湯一会集」において、おなじみの「一期一会」とともに、「独座観念」の境地が語られています。
この会を一生に一度の出会いと思い、心を尽くし、客の帰った後もひとり炉の前に座して時を過ごす。
原文を引きます。
「此の時寂莫として、うち語らふものとては、釜一口のみにして、ほかに物なし、誠に自得せざればいたりがたき境界なり」
余情残心をあらわす一文として名高いのですが、このとき宗観が向かい合っていた釜こそ、無音、という状態でありながらなお、茶人の万感の思いを受け止めてその鳴りを茶室に響かせていたのではないか、・・・・・・などと想像しております。
(文:茶道環会

 

ありがとうございます

本当に日本人の感性って美しいですね。
釜の音色一つにここまでの名がつき、それぞれに思いが込められてる。
今日一日でいいから耳に届く音を感じてみてはいかがでしょうか。
ん、聞こえてくるのは蝉の声だけ・・・それも、良しですね。

今日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
お席を一緒に楽しみましょうね。

 

この星が笑顔あふれる毎日となりますように。
Hope there will be a smile everywhere, every day.
これからの子供たちに幸せな世の中となりますように
Wish the world will be full of happiness with children.

#ありがとうを世界中に
#ArigatoAllOverTheWorld

 

関連記事

最近の記事

アーカイブ