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「お内裏さま」とは  立纓は天皇陛下のみ

 

上巳の節句は穢れを洗い清めてくれます

こんにちは。

木蓮(もくれん)の花のつぼみが、両手を合わせて空に向かって伸びています。
やさしい産毛をまといながら。
あの手の中に、今年の春が入っています。
蓮の花に似ているから木蓮なのでしょうか。

3日は上巳の節句、ひな祭りでした。
お内裏さまと三人官女、五人囃子の雛壇はお家で飾ることが難しいお家事情。
土人形の小さめなお内裏さまは飾られましたか。
3月の初めの「巳の日」に穢れを洗い清めて、水に流すという日。
ひとがたに災(わざわ)いや厄をうつして流します。

さて、今日はひな祭りに飾られる「お内裏さま」についてです。

 

天皇陛下だけの立纓

3月3日の桃の節句。
思い出すのは「お内裏様とお雛様」の歌でしょう。
やはり子どものころ、だれもが歌ったのではないでしょうか。
女の子を祝う行事として定着しており、時期になるとあちらこちらで盛大な雛壇を見かけることもあります。

さて、お内裏さまとは。
お内裏さまとは天皇のことです。
頭に立纓(りゅうえい)をしています。
立纓は天皇陛下のみが戴られます。
ほかのどんなに格式高い公家でも立纓を使用することはできません。

「纓(えい)」とは大祭の時に被るものが冠(かんむり)。
冠の後部より伸びるのが「纓」。
天皇以外は垂纓(すいえい)といわれ背後に傾斜して垂らしています。

この立纓は天界との交信ができ、神を降ろすためとか。

ひな祭りというのは天皇陛下を祀る祭りなのです。
「内裏」は御所のこと、皇居のことを指します。
内裏におられる天皇が、つまりお内裏さまなのです。

そのことを知っている人はどのくらいいらっしゃるでしょうか。
神に祈りを捧げて祭祀を執り行う、それが天皇です。
古より続く天皇の祭祀です。

 

ありがとうございます

この時期に美味しいものがハマグリ。
ごりごりとすり合わせて水で洗って、暗くて静かなお部屋に置いて塩水で砂出し。
「ぴゅうう」って砂を吐く音が聞こえてきます。
生きてますね、息してますね、嬉しいですね。

外ではヒヨドリが木に止まって「キュウ」ってときどき空に顔をあげて鳴いてます。
鳴くたびに口の中から赤い色が見えます。
じっと見ていると声が赤色に見えてきたり。

春が近づくといろいろな音が聞こえてきます。
たまには周りの音を消して、五感を研ぎ澄ましてじーっと耳を傾けてみませんか。
ほら、春の音が聞こえてきたでしょ。

 

今日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
旧暦の3月は春まっさかりの新暦4月ごろ、色も香りも音もいっぱい楽しめるころ。いっぱい楽しみましょうね。

 

参考
本:「天皇の秘儀と秘史」著:竹内睦泰さん
本:「ひらがな暦」著:おなーり由子さん

 
ひな祭りの由来と歴史をご存知ですか?
「桃の節句」の起原は大変古く、平安時代に遡ります。
桃の節句は桃太郎とも関係がある!って本当?

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