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熊野おとなし和紙つくり体験2

和紙の産地はどこ?

こんにちは。

先日の熊野おとなし和紙つくり体験のお話し第二弾です。
またまた体験を書く前にですが、昔は日本中で和紙を漉いていたそうですが、有名産地はどこなのでしょうね。
2014年にユネスコの無形文化遺産に登録されたのは島根県の石州半紙、岐阜県の本美濃紙、埼玉県の細川紙の3つ。
この3つの和紙に共通するのは
1.原料が国産の楮のみを使用している
2.良質な水を持つ川が近くにある
3.伝統的な製紙技術が受け継がれてきていること
などが挙げられます。
また、日本三大和紙と言われる越前紙、美濃紙、土佐紙も有名です。

熊野地方では明治から昭和30年頃まで紙漉きが本宮や那智勝浦で盛んにおこなわれていたそうです。
でも、洋紙の普及によっていったんは途絶えましたが、15年ほど前に復興され熊野本宮大社の護符「牛王神符」の用紙が手漉きされています。
そして、今は本宮の前で「おとなし」の名で紙漉き体験ができる工房をされている渕上さんにこの度はお世話になりました。
渕上さん、本当にありがとうございました。


(熊野本宮大社の護符「牛王神符」 俗に「オカラスさん」とも呼ばれる熊野牛王神符(牛王宝印)はカラス文字で書かれた熊野三山(本宮・新宮・那智各大社)特有の御神符です。カラス文字の数は、各大社によって異なりますが熊野牛王神符は、八十八の烏が見事にデザインされており1枚の紙に5つの文字がカラス文字と宝珠で図案化され記されています。本宮の牛王宝印には「熊野山宝印」と書かれてあります)

ありがとうを世界中に
Arigato all over the World

 

三叉を採りに山の中へ

今回の熊野おとなし和紙つくり体験で何よりも注目は、和紙の原料となる三叉を採ることから始まることです。
熊野本宮近くの山深く軽四で行けるところまで行き、そこから徒歩で。
そこには三叉がたくさん。
気をつけながら斜面を登り三叉採取。

和紙の原料は三叉だけでなく楮(こうぞ)と雁皮(がんぴ)そして麻があります。
三叉は、雁皮に似ていて繊維が短く、お札に使われています。
和紙の大半に使用されている楮は、繊維が長く絡みやすいので、もんでも破れない強靭さを持ち幅広く使われています。
雁皮は、古代には斐紙(ひし)と呼ばれ、繊維が短く紙の表面はなめらかで美しい仕上がりになるので、かな科紙や写経用など細字に適しているそうです。
麻は、一番古くからの和紙の原料でしたが扱いが難しく楮があらわれてから使用が少なくなりました。
どの原料をもちいても手漉きの和紙は高度な技術が必要とされる日本が誇る伝統工芸の一つです。

釜入れ(蒸す)から原木剥ぎ(剥ぐ)

汗だくになって三叉の採取が終わると次は音無工房でドラム缶に三叉を入れ蓋をして蒸します。
蓋から水滴が垂れるようになってから2時間待ちます。
蒸し上がった三叉をみんなで皮を剥ぎます。
後でわかるのですが(後でわかることばかりでした)、渕上さんにも注意はされていたのですが靴下を脱ぐように丸めて剥すと後々面倒。
すーっと皮を剥いでいきます。
この剥す工程もちゃんと丁寧にはがさなければ。

昔はこの剥す作業から先は、きっと女性たちが家内作業として筵などひいて行っていたのでしょうね。
このような手間暇かかること、今ではすべて機械化されたのでしょう。
どの分野でも近代に入り機械化されていきました。
料理でもそうですが、お野菜やお米から手間暇かけて作り、お家ではお母さんが手間暇かけて心を込めて作ったお料理は本当に美味しいですよね。
でも、今は「チン」して!というぐらいに愛情のない食事が多くなってしまっています。
それが、あたりまえの時代へと。
悲しいな!

ありがとうございます

今回の体験、知らないことばかり、と手間暇がたいへんかかりました。
知らないことを知るって、とても楽しいですね。
もちろん、そこに興味がないと楽しくないかもしれません。
でも、いつまでもいつも子供のように好奇心いっぱいでいたいです。
今、書きながらでもわからないことを調べて「そうなのか!」って一人満足してます。
知れば知るほど、そのものの価値が高まってきますね。

手間暇も同じです。
手間暇をかけている間はぼーっと作業をしているかもしれません。
でも何よりも大切な時間をそこにたくさん費やしているってすごいことと思います。
「あしたでもいいや」という作業もあるかもしれませんが、蒸し上がった三叉は温かいうちにしか皮を剥げません。
だからみんなで黙々と手間暇を惜しまず作業を行います。
手間暇、一言で言って「愛情」ですよね。
この手間暇がどんどんなくなっていくのが現代。
愛はどこへ行った!と叫びたくなります。

今回の体験はいろいろなことを体験させていただき、考えさせていただきました。
古来、私たちの祖先はこの手間暇を(その時は手間暇など思ってないと思いますが)あたりまえに、その一時を大切にしていたのでしょうね。
自然の中の一人としてあらゆる命を大切にしているからこそ無駄をなくしありがたく感じていたと思います。

さて、このコロナも何を伝えようとしているのか。
これからの時をどのように過ごしていくのか。
改めて考えてみませんか。

今日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

参考:四季の美
紀州発をんな情豊局

この星が笑顔あふれる毎日となりますように。
Hope there will be a smile everywhere, every day.
これからの子供たちに幸せな世の中となりますように
Wish the world will be full of happiness with children.

#ありがとうを世界中に
#ArigatoAllOverTheWorld

 

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