今一度知りたい、日本人とお茶の歴史02『「葉室」とは?』
葉室という地名に因んだ家名
こんに一は。
上の写真は、大阪府南河内郡の葉室公園。
藤原氏である葉室家は、葉室という地名に因んだ家名です。
洛西は葛野郡葉室に所領を得た藤原氏の一派が、葉室家を名乗るようになりました。
では、「葉室」とはどのようなことばなのかが、気になるところです。
音は、「ハムロ」。
ハとムロに分けたとき、「ハ」は土を、「ムロ」は宿るところを示します。
菅原家の祖である土師(ハジ)氏は、埴輪などの土から物を造り出す一族で、「ハ」の好例にあたります。
「ムロ」は氷室(ヒムロ)、酒造りが営まれる「ムロ」など、神々の力が働く空間を表します。
つまり、葉室は土の力が宿る地だと推測されます。
ちなみに、大阪府には聖徳太子(叡福寺陵)や推古天皇陵などの陵墓、古墳が点在する葉室の地が、二上山西側に鎮座する科長神社の山裾にあります。
葉室家は中世の頃からこの地も有していたようで、江戸時代の葉室賴孝は科長神社を再興させました。
葉室家、あるいは洛西の葉室と大阪府の葉室にどのような関連があるのか、明らかではありません。
ただ、洛西と大阪府の両地には、古墳が集合している共通点があります。
葉室山淨住寺の近辺には古墳が多くあり、松尾大社や通称「苔寺」で有名な西芳寺、地蔵院などの付近では、多くの古墳が確認されています。
また、葉室家墓地のある穀塚からは、2から3世紀の中国大陸で造られたと見られている副葬品が発見されており、いかに古代から権力が集まっていた土地であるかがわかります。
土と石で盛り造られた古墳を指すのが「ハムロ」なのか、それはわかりません。
全国にある「ハムロ」という地名を調査すれば、もしかしたら解明されることもあるでしょう。
(続く)
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