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「投扇興」 日本の文化と優しい心がいっぱい 


(写真右の方が、三百年の老舗京扇子の白竹堂、山岡さん)

 

今日は投扇興について

「凌風」で投扇興を

 

こんにちは。

今日は旧暦1月10日、月齢は9.2.、 仏滅(戊子(つちのえね)

 

先日、お伺いした三百年の老舗、京扇子の白竹堂、山岡さんに白竹堂さんが京町屋を改修し作られた庵「凌風(りょうふう)」に連れていっていただきました。

「凌風」とは、風を凌ぐと書き、日々の精進の積み重ねにより多くの困難を凌ぎ、良き時間を持つという意を込めて名付けられたそうです。

投扇興と茶の湯、京都の文化をゆっくり愉しむ良い時を、この庵で味わっていただきたいと作られました。

この「凌風」で投扇興を興じました。

真剣に10投、とっても楽しかったです。

みなさんもお出かけくださいね。

 

 

投扇興はいつから?

 

投扇興は江戸時代の中期、安永(1772年~1781年)の頃、京都で始まったとされています。

比較的最近の遊びですね。

中国伝来の投壺(とうこう)という投扇興に似た遊びがありました。

この投壺は作法やルールが煩わしく、誰でも手軽に遊べるものではなかったそうなので、女子や子供でも気軽に遊べるようにと投扇興が考えられ、庶民の間で大流行しまいた。

しかし、投扇興が賭博に利用されることが多くなり、幕府からたびたび禁止令が出されることもあったそうです。

どの時代もお金をかけて遊びたくなるのですね!

 

 

これが投扇興の枕と蝶

 

枕?と蝶?

桐の箱が「枕」と呼ばれる台です。

絵が描かれていたり、筆で文字がかかれていたり、友禅紙を貼ったものがあります。

大きさは流派(流派がいろいろあるそうです)によって違いますが、だいたい17.5×9×9cmだそうです。

なぜ、枕というのでしょうね?

 

そして「蝶」、的のことです。

蝶の形?イチョウの葉の形?をした可愛らしい布張りをした的。

両脇には鈴を垂らしています。

扇子が当たった時は「チリン!」って。

蝶の台には五円玉が数枚入っているとか。

蝶の大きさも流派によって違うそうです。

 

 

 

そして扇です

 

扇、もちろん的に向かって投げるのですよ。

普段使いの扇より軽くなっていて、飛行機のように飛んでくれます。

でも、ちゃんと持ち方を教えていただいたので飛んだのでしょうね。

こうやって持つのですよ。


(写真:凌風さんのHPより)

 

それでは遊び方を

 

毛氈の両端に向かい合って一人づつ座り、台(枕)の上の的(蝶)を狙って扇子を投げます。

扇子と的が落ちた形によって点数を競います。

二人が交互に10回程度(凌風さんでは10回でした)投じて、合計得点で競います。

 

 

 

この形は「夕顔」で8点。

私がちゃんと投げたのですよ。

毛氈の向こうに、可愛い猫のお人形がわかりますか?

この猫のお人形を一投するたびに投じた数がわかるよう脇に置きます。

ちょっとしたことですが、この思いが素敵ですよね。

 

 

 

これが点数表です

 

扇・蝶・枕によって作られる形を「銘」と呼びます。

「銘」は、「源氏物語」54帖の名前が付けられているものや、「百人一首」にちなんだ名前が付けられているものなどがあります。

凌風さんの点数表は、源氏物語からで27の「銘」があります。

一番高い点数は「胡蝶(こちょう)」で85点。

枕の上で蝶が立ったまま下に扇がはさまってる様です。

宝くじ当たるより難しそう(笑)

面白いのが「こつん」。

「こつん」は枕に扇が「こつん」って当たっただけの時のこと。

これは△2点。

 

 

今何点?

 

そう、投じた点数は角盆の中のおはじき。

一投ごとにおはじきを籠からそれぞれに入れていきます。

この、ちょっとしたことが楽しくなっていきますね。

 

ありがとうございます。

 

畳に座って扇を投げる。

現代では、めったに見ることがないです。

なんて優雅な遊び、「平安朝の貴族の遊び」と思ってませんか。

今では、お座敷、芸妓さんとの遊びと思ってしまいますね。

確かに雅さを感じますが、先にも書きましたとおり、江戸時代に庶民から起こり、庶民の間で流行った遊びです。

 

昔からの遊び、伝統遊び。

子どもたちだけでなく大人の遊びもあるのですね。

スマホやテレビゲームばかりでなく、人と向き合って遊ぶって大切だと思います。

子どもの遊びにいたっては、どれだけあるのでしょうか。

次回、特集してみますね。

 

日本の遊びってただ遊ぶだけでなく、そこにはおもてなしの心も文化もたくさん入ってますね。

やっぱり、日本は素敵ですね!

今日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

参考:日本の文化の遊びを知れば和の魅力を満喫できる
   ひな祭りの由来と歴史をご存知ですか

 

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