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「旧暦」 四季のある国に生まれた幸せを五感で味わいませんか

 

「旧暦」で四季を味わいましょう

こんにちは。

昨日も書きましたが、今日は旧暦の正月。
立春に一番近い新月の日が旧暦の新月になります。
この旧暦のこと知らないことがたくさん。
現在の新暦は太陽暦、明治以降に導入、旧暦はお月さまの動きを基につくった太陰太陽暦。
お月さまを基に作るとお月さまは28日ぐらいで元に戻るから、一月を30日と考えると・・・あれ、一年どうなるのだろう?

さて今日は、松村賢治さん監修の「旧暦で今をたのしむ「暮らし歳時記」のご本から学ばしてもらいます。

 

旧暦とは?

日本の暦は、明治5年に現在「新暦」と呼ばれる「太陽暦」に改暦され、それまで使っていた暦が「旧暦」と呼ばれるようになりました。
これに合わせて、江戸時代まで旧暦で行っていた年中行事の多くは、新暦に合わせて行われるように変更されました。
しかし、今でも、旧暦で行われる行事が残っています。
お月見で有名な「中秋の名月」や、沖縄地方の行事は旧暦で行うのが一般的です。
たまに耳にする「旧正月」や「旧盆」というものも、本来は旧暦での正月やお盆という意味なのです。

 

「旧暦」とは太陰太陽暦

暦は太陽や月の運行に基づいて作られており、太陽の運行に基づいて作られる「太陽暦」と、月の運行に基づいて作られる「太陰暦」、太陰暦を基本に太陽暦を加味した「太陰太陽暦」の3つに分けられます。
日本で旧暦と呼ばれているのは、太陰太陽暦です。
基本は中国で作られた「農暦」で、旧暦は季節の移り変わりに合わせた自然歴であり、農業の重要な指針でした。
旧暦の1年間は354日で、29日間で終わる小の月と、30日間で終わる大の月があり、この組み合わせは毎年異なります。

太陰暦はイスラム教徒を中心に使われている暦で、30年を1周期として354日の平年が19回、355日の閏年が11回あります。
太陰太陽暦は東アジアやユダヤ教で使われている暦で、1年は354日か355日。
閏年は19年に7回あり、1年が384日か385日になります。(閏年は19年に7回、どのように決まるのかは調べます)太陽暦はご存知のように、世界の公式暦であり、現在はグレゴリオ暦が使われています。
1年は365日で、約4年に1度閏年があります。

 

旧暦の閏年

明治時代に改暦される以前、日本では太陰太陽暦が使われていました。
旧暦は、月と太陽の運行を組み合わせて作られた太陰太陽暦のことです。
太陰太陽暦は1ヵ月が29.53日というサイクルなので、旧暦の1年(1太陰年)は1太陽年(365.2422日)よりも11日ほど短い354日になります。

これが続くと、太陽の位置によって季節とズレが起こるため、19年に7度、1年が13か月ある年を設けることで、暦と季節のズレを調節します。
3年で約33日余りますが、旧暦のひと月は29日か30日と決まっているため、残りの3~4日は、19年の間で調整します。
重要なのは、どこに閏月が入るかです。
早くから太陽暦が365日だと気づきながら旧暦を考案した意味はここにあります。
中気(雨水・春分・穀雨・小満・夏至・大暑・処暑・秋分・霜降・小雪・冬至・大寒)を含まない月に閏年を入れることで、農業の暦として使用していたのです。

 

二十四節季は太陽暦から

日本は約3ヶ月ごとに季節が移り変わりますが、旧暦と新暦では、春夏秋冬の分け方が違います。
新暦である現在、気象庁の季節区分は、春は3~5月、夏は6~8月、秋は9~11月、冬は12~2月と発表されています。
一方旧暦の場合は、1年は必ず春からはじまります。
つまり1~3月が春、4~6月が夏、7~9月が秋、10~12月が冬となります。
旧暦では、この区分に古代中国で太陽暦をもとに発明した「二十四節季」を加えます。
二十四節季が旧暦のどこに入っているかを見ることで、詳しい季節の傾向がわかるからです。
これにより、農業や年中行事の目安として使用していました。

 

太陽の通り道に名前をつけました

1年間の太陽の軌道を15~16日ずつに分けたのが二十四節季です。
農業と季節の移り変わりの関係を知るための基準点として考えられました。

まず1太陽年を、日照時間が最も長い夏至と短い冬至の「二至」で2等分します。
さらに、太陽が真東から昇り真西に沈むので、昼と夜の時間が同じになる春分と秋分の「二分」で4等分します。
続いて、その中間に立春、立夏、立秋、立冬の「四立」を入れて、全体を8等分し、さらにそれを3等分にして24に分けました。

それぞれに季節の変わり目を示す特殊な名前があり、現在でも年中行事や農作業の目安にされています。
太陽がベースなので、旧暦ではなく、新暦と周期が合います。

 

「七十二候」「雑節」

二十四節季をもとにして、季節を味わうためのさまざまな工夫がされました。
それが細かく季節を表現した「七十二候」や年中行事を関りの大きい「雑節」です。

15日単位の二十四節季を、5日ごとに初候、次候、末候に分けて季節の移ろいを詳しく知らせるのが七十二候です。
二十四節季は、現在でも古代中国で作られたものをそのまま使っています。
ところが七十二候に関しては、中国の気候や風物を詳しく反映しており、日本に合わない点も多くあったため、江戸時代以降に日本の風土に合うように何度かアレンジをくり返しました。
現在は、明治時代に改定された七十二候が使われていますが、定説ではありません。

雑節は日本特有の季節変化や慣習から生まれた節目です。
雑節は年中行事や祭、農作業や生活の目安などとして、日本人の暮らしに深く密接していました。
また、太陽の運行に基づいて作られていて、二十四節季とともにおおまかに季節を感じるための指標となっています。
基本は節分、彼岸、社日、八十八夜、入梅、半夏生、土用、二百十日、二百二十日の9つですが、これに稲荷社の祭の「初午」やお中元の目安にもなる上元・中元・下元の「三元」、俗にお盆と呼ばれて先祖の霊を祀る「盂蘭盆」、6月末と大晦日に半年の穢れを祓う「大祓」を加える場合もあります。

 

ありがとうございます。

民俗学では「暦(こよみ)」とは、日(ひ)読みのこと。
高僧を「聖(ひじり)」というのは、「日知り」のことで、天気予測の上達者のことでした。
アジア農業国の暦には、日付だけでなく、その年の気象傾向を予知する機能が必要でした。
暦からその年が冷夏なのか、暖冬なのかを判断するヒントを読み取っていたのです。
これは太陽暦にはない機能です。

現在「旧暦」と呼ばれている暦は、4千年前に中国で考案され、6世紀に日本に伝えられた「太陰太陽暦」を指します。
「動植物のバイオリズムに月が大きく作用している」との確信から作られました。
この旧暦には、気象傾向を予知する機能があります。
地球温暖化の現在こそ、環境保全、スローライフの生かせるこの旧暦の機能を、皆さんで確かめてみませんか。

 

今日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
旧暦で暮らすと、行事や遊びでより季節感が味わえますね。四季のある国に生まれた幸せを五感で味わいませんか。

 

参考:本「旧暦で今をたのしむ「暮らし歳時記」監修:松村賢治さん

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