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『文様に託された願いと物語』成願義夫さんのお話し

『文様に託された願いと物語』

この振袖(晴れ着)の図柄は、波模様の上に四季の草花模様と扇面(末広)を散し、さらにその上に松藤と鶴をあしらった吉祥文様です。
鶴や扇面が吉祥柄というのは、すでにご周知のとおりですが、今回は特に『松藤文』の事を少し説明いたします。
『松藤文』は江戸時代に流行した文様で、平安時代の和歌「山高み松にかかれる藤の花 そらより落つる波かとぞ見る」に因んだ図柄が始まりと言われ、松の枝に掛かった白藤を打ち寄せる白波に見立てるという、古典文学からはじまった雅やかな意匠です。
因みに、江戸時代の封建社会においては、一種のステイタス(身分や家柄や教養の高さを表す)として好まれた図柄がありました。

それを代表するのが、『文学文様』です。

 

文学文様とは、例えば万葉集、古今和歌集、伊勢物語、源氏物語・・等々に因んだものなどです。
その他、歌舞伎や能の演目に因んだもの、中国の故事に因んだものなどがこれらの類と言えます。
当時、このような図柄の意味を理解するには、ある程度の高い教養が必要でした。
必然的に身分や家柄が現れます。
現代でも人気がある『古典柄』と呼ばれる着物の図柄の大多数は、明治以前のこのような吉祥柄を模倣または継承したものです。
それが、明治、大正、昭和、平成、令和となっても伝統文様として継承されてきました。

しかし、時代と共に少しずつ、図柄に込められる意味や謂れに対する関心が薄れ、意味不明の図柄が多くなってきました。

言葉や文字以外のメッセージとして図柄に込める先祖の願いや親の心や物語。
時代は変わっても、親や祖父母が子や孫の幸せを願い、託す思いは同じです。
婚礼やその他の式典での衣装として、また海外での礼装として、
着物の継承されるべき重要なことの一つが、図柄に込められたストーリーやメッセージだと思います。

 


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